朽木蒼純編
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白哉が納得したのを確認して、浮竹と京楽が顔を見合わせて穏やかに頷き、立ち上がる。
大きな手が緋真の頭に優しく乗った。
「頑張りなさい、君なら大丈夫だろう。」
顔を覗きこんで、浮竹が穏やかに微笑む。
緋真が見惚れているうちにその手は離れて行った。
「奉公に行ったら俺も買いに行くよ。」
優しくそう言って笑う様子に、緋真は目を輝かせる。
「じゃあ今度一緒に行こうよ。
いい店なんだよね。
緋真ちゃんもきっと楽しく働ける。」
京楽がうんうん、と頷く。
「じゃあまたな。」
「またね。」
忙しいのだろう、二人は嵐のように去っていった。
その後ろ姿を見送る緋真と、白哉と、咲。
「浮竹様は、とても素敵な殿方ですね・・・。」
その染められた頬から、彼女が浮竹にどんな感情を抱いているかは一目だった。
「何だとっ!?」
白哉がぎょっと目を見開き、緋真を見つめる。
「何だとはなんです!
素敵じゃないですか。
落ち着いていて、紳士的で、笑顔が素敵で・・・」
「超がつく天然で、その上病弱だぞあいつは!」
「そんなの関係ありません!」
「だいたいどれだけ歳が離れているかわかっているのか?」
「年齢なんて、それこそここでは関係ないわ!」
むきになって言い合う二人の様子があまりに微笑ましく、咲はくすりと笑った。
本当にこの2人は馬が合う、と。
奉公が来週に迫り、荷物の整理を手伝いがてらご飯でもと咲に誘われた。
白哉もその日はたまたま非番で、咲と現地で昼前に待ち合わせをしていたのである。
「私だ、白哉だ。」
戸口で声をかけたが、いつものように緋真が出迎えに来る気配はない。
買い物にでも行っているのだろうかと思い、念の為引き戸に手を掛けると鍵は開いているようだ。
「入るぞ。」
不思議に思って家に入る。
人の気配がないわけではない。
奥で物音がして、それから咳き込む音が聞こえた。
まさかと思って奥に進むと、布団からおき上がろうとする緋真の姿が目に入った。
「ごめんなさい、寝ていて・・・今お茶を淹れます。」
「何を言う、寝ていろ。」
赤い顔は見るからに辛そうで、白哉は慌てて布団は押し戻す。
その体は熱く、熱は高そうだ。
「いつからだ?」
「・・・昨日の夕方からです。」
辺りを見ると、水指は置いてあり、水分は摂っているようだ。
だが身体が辛く、充分な摂取は難しいに違いない。
「食事は?」
「・・・食欲がなくて。」
「食べねば体が持たぬ。
少し借りるぞ。」
そういうと白哉は台所へ向かおうとするので、緋真は慌てて止める。
「そんな!
移ってもいけませんし、今日はお帰りになった方が・・・」
白哉はくすりと笑って、緋真を再び布団に押し込む。
「愚か者。
お前とは体の鍛え方が違うのだ。
そこで黙って寝ておれ。」
そっと額に手を触れる。
(熱いな。)
緋真は気まずそうに白哉を上目遣いで見上げたが、額に乗せられた手が冷たくて気持ちが良いのか、しばらくすると目を閉じた。
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえ始める。
それを確認してから白哉は部屋から出た。
まずは桶に水を張り、手拭いを固く絞って額に乗せてやる。
霊術院の頃にした野営での料理と、昔自分が風邪をひいた時に明翠が作ってくれたものを思い出しながら台所に立った。
大きな手が緋真の頭に優しく乗った。
「頑張りなさい、君なら大丈夫だろう。」
顔を覗きこんで、浮竹が穏やかに微笑む。
緋真が見惚れているうちにその手は離れて行った。
「奉公に行ったら俺も買いに行くよ。」
優しくそう言って笑う様子に、緋真は目を輝かせる。
「じゃあ今度一緒に行こうよ。
いい店なんだよね。
緋真ちゃんもきっと楽しく働ける。」
京楽がうんうん、と頷く。
「じゃあまたな。」
「またね。」
忙しいのだろう、二人は嵐のように去っていった。
その後ろ姿を見送る緋真と、白哉と、咲。
「浮竹様は、とても素敵な殿方ですね・・・。」
その染められた頬から、彼女が浮竹にどんな感情を抱いているかは一目だった。
「何だとっ!?」
白哉がぎょっと目を見開き、緋真を見つめる。
「何だとはなんです!
素敵じゃないですか。
落ち着いていて、紳士的で、笑顔が素敵で・・・」
「超がつく天然で、その上病弱だぞあいつは!」
「そんなの関係ありません!」
「だいたいどれだけ歳が離れているかわかっているのか?」
「年齢なんて、それこそここでは関係ないわ!」
むきになって言い合う二人の様子があまりに微笑ましく、咲はくすりと笑った。
本当にこの2人は馬が合う、と。
奉公が来週に迫り、荷物の整理を手伝いがてらご飯でもと咲に誘われた。
白哉もその日はたまたま非番で、咲と現地で昼前に待ち合わせをしていたのである。
「私だ、白哉だ。」
戸口で声をかけたが、いつものように緋真が出迎えに来る気配はない。
買い物にでも行っているのだろうかと思い、念の為引き戸に手を掛けると鍵は開いているようだ。
「入るぞ。」
不思議に思って家に入る。
人の気配がないわけではない。
奥で物音がして、それから咳き込む音が聞こえた。
まさかと思って奥に進むと、布団からおき上がろうとする緋真の姿が目に入った。
「ごめんなさい、寝ていて・・・今お茶を淹れます。」
「何を言う、寝ていろ。」
赤い顔は見るからに辛そうで、白哉は慌てて布団は押し戻す。
その体は熱く、熱は高そうだ。
「いつからだ?」
「・・・昨日の夕方からです。」
辺りを見ると、水指は置いてあり、水分は摂っているようだ。
だが身体が辛く、充分な摂取は難しいに違いない。
「食事は?」
「・・・食欲がなくて。」
「食べねば体が持たぬ。
少し借りるぞ。」
そういうと白哉は台所へ向かおうとするので、緋真は慌てて止める。
「そんな!
移ってもいけませんし、今日はお帰りになった方が・・・」
白哉はくすりと笑って、緋真を再び布団に押し込む。
「愚か者。
お前とは体の鍛え方が違うのだ。
そこで黙って寝ておれ。」
そっと額に手を触れる。
(熱いな。)
緋真は気まずそうに白哉を上目遣いで見上げたが、額に乗せられた手が冷たくて気持ちが良いのか、しばらくすると目を閉じた。
しばらくすると規則正しい寝息が聞こえ始める。
それを確認してから白哉は部屋から出た。
まずは桶に水を張り、手拭いを固く絞って額に乗せてやる。
霊術院の頃にした野営での料理と、昔自分が風邪をひいた時に明翠が作ってくれたものを思い出しながら台所に立った。