朽木蒼純編
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
呼び出された時、部屋にいるのは大抵蒼純と、居たとしても銀嶺だけである。
だが今日は大きな男の後ろ姿が見えた。
見覚えのある背中は、咲を振り返る。
「狛村三席。」
思わず名前を呼んでから慌てて頭を下げた。
「お疲れ様です。」
「そなたは、卯ノ花。」
驚いたのは相手もだったらしい。
響河の氾濫の際、咲は一時だけ狛村の班に所属していたことがある。
邪見にしない上司として、咲の中では記憶に残っていたし、狛村の方も不遇な少女として記憶に残っていた。
狛村の向こうで、蒼純が口を開く。
「今回の任務にはこの3名で当たることにする。
狛村三席は今の任務を担当していたんだ。
彼の班では手に負えそうにないから、私とお前と3人で対応することになった。」
咲は狛村の手前まで歩み寄り、深く頭を下げた。
「よろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしく頼む。」
過去に咲が当たったケースで、蒼純が下す命 で、彼以外の者も含めた班編成は初めてだ。
蒼純が狛村をメンバーに選ぶというのなら、彼は咲とのチームワークに問題がないということなのだろう、と思う。
そして咲自身も、彼と話をした過去から、そう思った。
「では狛村三席、説明をお願いするよ。」
蒼純の言葉に、狛村は一つ頷き、咲を見る。
「こちらへ。」
その指示に従い、咲は蒼純、狛村と共に机に広げられた報告書を覗き込んだ。
今回の任務で対する虚についての情報は、狛村が持ち帰ったものだけである。
他の隊士は全て殺されているためだ。
六番隊五席を班長とする第五班の救援に向かったのが、狛村ら第三班。
そして彼が見たとき、第五班は五席ただ一人しか残っていなかったという。
―ご無事ですか!他の隊員は!?―
そう五席に駆け寄った狛村の部下は、一瞬で切り捨てられた。
動揺する班員に手ぶりで動くなと伝え、狛村が五席に声をかけた。
ー・・・左肩の傷はどうした。ー
任務に就く前、先の任務で左肩を負傷した五席が気になり、狛村は声をかけていた。
―まだ僅かに痛むことはありますが、大したことはありません。―
強面を崩して、そう笑っていた。
彼の左の袖からは、その包帯が見えていたはずなのだ。
だが、目の前の五席の左袖にはそれがない。
五席はにやりと笑った。
その歯の隙間から、ちろりと、爬虫類のような細い舌が覗く。
次の瞬間、狛村の斬魂刀天譴 と、五席の斬魂刀は激しくぶつかり合っていたーー
打ち合いはしばらく続いたが、逃げられてしまったということである。
「五席の体を乗っ取ったと考えるべきでしょうか。」
咲の言葉に、狛村は首をかしげる。
「それには違和感がある。
まず、先に述べた包帯がない点。
何かの理由があって外した可能性もないわけではないが、傷の深さから言っても、まだ外して動くには支障があるように思う。
また、以前の五席よりも力は格段に上がっていた。
それが虚の力によるものなのか、判別はつかん。」
顎に手を当てて何やら考え込んでいる。
「では三席は身体を乗っ取られたわけではないと考えるのだね。」
「はい。
なんとも申し上げにくいのですが・・・違和感があったのです。」
そう言ってから狛村は俯いた。
感覚頼みとはなんとも不確かで、信用に値しない。
だが自分の野生の感覚に、嘘はつけない。
だが、それは狛村の問題だ。
改めて頭を下げる。
「不確かなことを、申し訳ありません。」
少しの間があって、蒼純は口を開いた。
「いや、私は勘は大切だと思うよ。
君が違和感を覚えたというのならば、間違いなく何かがあるのだろう。」
狛村ははっとして顔を上げ、そして蒼純をじっと見つめる。
その視線の先で上司は穏やかに微笑み、そして。
「君だけに限ったことではない。
お前もだ、咲。」
その視線を咲に向けた。
咲は真っ直ぐと、上司を見上げる。
「私はお前達二人の勘を信じるよ。」
だが今日は大きな男の後ろ姿が見えた。
見覚えのある背中は、咲を振り返る。
「狛村三席。」
思わず名前を呼んでから慌てて頭を下げた。
「お疲れ様です。」
「そなたは、卯ノ花。」
驚いたのは相手もだったらしい。
響河の氾濫の際、咲は一時だけ狛村の班に所属していたことがある。
邪見にしない上司として、咲の中では記憶に残っていたし、狛村の方も不遇な少女として記憶に残っていた。
狛村の向こうで、蒼純が口を開く。
「今回の任務にはこの3名で当たることにする。
狛村三席は今の任務を担当していたんだ。
彼の班では手に負えそうにないから、私とお前と3人で対応することになった。」
咲は狛村の手前まで歩み寄り、深く頭を下げた。
「よろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、よろしく頼む。」
過去に咲が当たったケースで、蒼純が下す
蒼純が狛村をメンバーに選ぶというのなら、彼は咲とのチームワークに問題がないということなのだろう、と思う。
そして咲自身も、彼と話をした過去から、そう思った。
「では狛村三席、説明をお願いするよ。」
蒼純の言葉に、狛村は一つ頷き、咲を見る。
「こちらへ。」
その指示に従い、咲は蒼純、狛村と共に机に広げられた報告書を覗き込んだ。
今回の任務で対する虚についての情報は、狛村が持ち帰ったものだけである。
他の隊士は全て殺されているためだ。
六番隊五席を班長とする第五班の救援に向かったのが、狛村ら第三班。
そして彼が見たとき、第五班は五席ただ一人しか残っていなかったという。
―ご無事ですか!他の隊員は!?―
そう五席に駆け寄った狛村の部下は、一瞬で切り捨てられた。
動揺する班員に手ぶりで動くなと伝え、狛村が五席に声をかけた。
ー・・・左肩の傷はどうした。ー
任務に就く前、先の任務で左肩を負傷した五席が気になり、狛村は声をかけていた。
―まだ僅かに痛むことはありますが、大したことはありません。―
強面を崩して、そう笑っていた。
彼の左の袖からは、その包帯が見えていたはずなのだ。
だが、目の前の五席の左袖にはそれがない。
五席はにやりと笑った。
その歯の隙間から、ちろりと、爬虫類のような細い舌が覗く。
次の瞬間、狛村の斬魂刀
打ち合いはしばらく続いたが、逃げられてしまったということである。
「五席の体を乗っ取ったと考えるべきでしょうか。」
咲の言葉に、狛村は首をかしげる。
「それには違和感がある。
まず、先に述べた包帯がない点。
何かの理由があって外した可能性もないわけではないが、傷の深さから言っても、まだ外して動くには支障があるように思う。
また、以前の五席よりも力は格段に上がっていた。
それが虚の力によるものなのか、判別はつかん。」
顎に手を当てて何やら考え込んでいる。
「では三席は身体を乗っ取られたわけではないと考えるのだね。」
「はい。
なんとも申し上げにくいのですが・・・違和感があったのです。」
そう言ってから狛村は俯いた。
感覚頼みとはなんとも不確かで、信用に値しない。
だが自分の野生の感覚に、嘘はつけない。
だが、それは狛村の問題だ。
改めて頭を下げる。
「不確かなことを、申し訳ありません。」
少しの間があって、蒼純は口を開いた。
「いや、私は勘は大切だと思うよ。
君が違和感を覚えたというのならば、間違いなく何かがあるのだろう。」
狛村ははっとして顔を上げ、そして蒼純をじっと見つめる。
その視線の先で上司は穏やかに微笑み、そして。
「君だけに限ったことではない。
お前もだ、咲。」
その視線を咲に向けた。
咲は真っ直ぐと、上司を見上げる。
「私はお前達二人の勘を信じるよ。」