拓「そういえばさ、眞那と涼哉って、どんな関係なの？ただの隊長と副隊長には見えないくらい、仲良しに見えたけど？」
拓斗はそう言って口角を上げた。
拓「知りたいなー。」
口調を弾ませる拓斗をちらりと見ると、眞那は口を開いた。
眞『まぁ、けっこう長い付き合いだからね。あたしが隊長になる前も一緒に零番隊の隊員だったし。』
拓「そう…なんだ。俺たちと似たような感じだね。」
眞『そうだよね。見た感じそうだっと思ったよ。亜莉亜のこと、本当に大事に思ってるんだなって感じたしさ。』
拓「あ、分かる？」
拓斗の表情が驚きに変わる。
眞『もちろん。何かとそういうのは分かっちゃうんだよね。』
眞那はちょっと意地悪く笑って見せた。
拓「そんなもんなのかな？確かに俺は亜莉亜を愛してるけど。」
拓斗は笑顔のままサラリと言ってのけた。
眞『拓斗は素直だね。亜莉亜は幸せ者だ。』
拓「本人がどう思ってるかは知らないけどね。俺はただ、自分の気持ちを伝えただけだから。」
眞『気持ち、伝えたんだ。返事は…どうだったの？』
拓「聞かなかったよ、あえて。彼女を困らせたくなかったし、大きな戦いの前だったから。」
拓斗は愛しい人を思い浮かべるように、目を細めた。
眞『そうだったんだ。拓斗はほんと亜莉亜が大好きなんだね。亜莉亜の気持ちを分かってあげられるんだからさ、そうでしょ？？』
拓「当然だよ。本当にちっちゃい頃から一緒にいるんだから。彼女は俺が護るって、ずっと決めてるんだ。」
拓斗はそう言って、今度は意志の宿った強い瞳でどこか遠くを見つめた。
眞那はその様子を、優しげな表情で見守っていた。
眞『カッコいいな、拓斗。それでこそ副隊長だよ。ほんとの意味で強いんだな、拓斗はさ。』
拓「強い、か。…そうなりたいよ。」
拓斗は視線を戻し、切なげに呟いた。