今年こそ君を振り向かせるから
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「ねえねえ、現世で流行っている物って何?」
そんな事を言いながら飛び込んできた、権威あるはずの零番隊副隊長。
教科書を広げ試験前の学習に励んでいた一護は、ぴくりと眉を寄せ、近くにあった雑誌を力いっぱい放り投げた。
「ぶはっ!?」
顔面に直撃したようで、何よりだ。
一護は意地の悪い笑みを浮かべた。
「で、てめぇは何でそこでくつろいでんだよ」
不機嫌そうに一護は尋ねる。
「だから、現世の流行を取り込もうとして、勉強してるんだって」
一護のベッドの上に寝そべりながら、拓斗は雑誌のページをめくる。
一護はそれをしばらく睨んでいたが、やがて諦めたように息を吐くと、学習机に向き直った。
カリカリとシャープペンシルを走らせる音が聞こえ……ピラピラと紙をめくる音にかき消され、頭の中が乱れてくる。
ピラッ……ペリッ……ピラピラ……ペラペラペラペラ……
「……」
一護の眉間に寄った皺は、過去最大級の深さになっている。
あぁもう、どうしてコイツなんかに邪魔されなきゃいけないんだ。
心の中で愚痴を言う。
やがてその音が──
ベシッ!!!
「あっ!」
思わず驚いてしまうような声と共に、止まった。
「何だよ、もう……」
橙色の髪の毛をがしがしと掻きながら、一護は振り向く。
椅子の背もたれが一護の体重を受けて、軋む。
「こ、これだ……!」
拓斗は、穴が開いてしまうのではと思うほど、熱心に雑誌を見ている。
きらきらと輝き、希望に満ち溢れた瞳で。
「だから、何なんだ、って」
一護はため息をつくと、のそのそと立ち上がり、拓斗の方へ歩み寄り、雑誌に目をやった。
「ねえ、一護……!これって良くない!?」
嬉しそうな拓斗の視線の先には、確かに現世で流行っている、ある事の特集があった。
「──壁ドン特集?」
一護の表情から一気に怒りが抜け、そして哀れむような目で拓斗を見やる。
嫌な予感がする……
「早速、実戦してくる!」
威勢よく宣言し、勢い良く部屋の窓から飛び出した拓斗の背中を見ながら、一護は頭を抱えた。
「知ーらね」
開いたままの窓から、冷たい空気が流れ込み、そこでふと気付く。
「鍵、確かにかけたはずなんだけどな……」
一護は肩を落とし、窓の鍵をしっかりと確認すると、机の上の教科書と、再び向き合った。
そんな事を言いながら飛び込んできた、権威あるはずの零番隊副隊長。
教科書を広げ試験前の学習に励んでいた一護は、ぴくりと眉を寄せ、近くにあった雑誌を力いっぱい放り投げた。
「ぶはっ!?」
顔面に直撃したようで、何よりだ。
一護は意地の悪い笑みを浮かべた。
──A HAPPY NEW YEAR──
今年こそ君を振り向かせるから
今年こそ君を振り向かせるから
「で、てめぇは何でそこでくつろいでんだよ」
不機嫌そうに一護は尋ねる。
「だから、現世の流行を取り込もうとして、勉強してるんだって」
一護のベッドの上に寝そべりながら、拓斗は雑誌のページをめくる。
一護はそれをしばらく睨んでいたが、やがて諦めたように息を吐くと、学習机に向き直った。
カリカリとシャープペンシルを走らせる音が聞こえ……ピラピラと紙をめくる音にかき消され、頭の中が乱れてくる。
ピラッ……ペリッ……ピラピラ……ペラペラペラペラ……
「……」
一護の眉間に寄った皺は、過去最大級の深さになっている。
あぁもう、どうしてコイツなんかに邪魔されなきゃいけないんだ。
心の中で愚痴を言う。
やがてその音が──
ベシッ!!!
「あっ!」
思わず驚いてしまうような声と共に、止まった。
「何だよ、もう……」
橙色の髪の毛をがしがしと掻きながら、一護は振り向く。
椅子の背もたれが一護の体重を受けて、軋む。
「こ、これだ……!」
拓斗は、穴が開いてしまうのではと思うほど、熱心に雑誌を見ている。
きらきらと輝き、希望に満ち溢れた瞳で。
「だから、何なんだ、って」
一護はため息をつくと、のそのそと立ち上がり、拓斗の方へ歩み寄り、雑誌に目をやった。
「ねえ、一護……!これって良くない!?」
嬉しそうな拓斗の視線の先には、確かに現世で流行っている、ある事の特集があった。
「──壁ドン特集?」
一護の表情から一気に怒りが抜け、そして哀れむような目で拓斗を見やる。
嫌な予感がする……
「早速、実戦してくる!」
威勢よく宣言し、勢い良く部屋の窓から飛び出した拓斗の背中を見ながら、一護は頭を抱えた。
「知ーらね」
開いたままの窓から、冷たい空気が流れ込み、そこでふと気付く。
「鍵、確かにかけたはずなんだけどな……」
一護は肩を落とし、窓の鍵をしっかりと確認すると、机の上の教科書と、再び向き合った。