我妻拓斗は…(以下略。)
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「やばっ!!」
俺は跳ねるように立ち上がると、草履をつっかけて部屋のドアに手をかけた。
その瞬間──
「キャァァッ!!」
お風呂場のある方向から、耳をつんざくような鋭い悲鳴が聞こえた。
「ッ!」
俺は咄嗟に部屋の奥に戻り、愛刀“雷神”を片手にとると、閑散とした自室を飛び出した。
少し時は戻り──
大浴場に併設されていた小さな風呂場を貸し切って入浴した亜莉亜は、水滴の滴る長い髪を簡単に結い上げ、薄い浴衣を緩く着て、火照る顔を手で扇ぎながら廊下に出た。
「あれ!?隊長、こんばんは」
すれ違う隊士たちが、普段見ない亜莉亜の姿に驚き、挨拶をする。
亜莉亜は適当に返事を返すが、亜莉亜が通り過ぎた後の廊下では、沢山の隊士が亜莉亜の後ろ姿を見つめている。
特に──男性隊士が。
“うわ、お風呂上がり可愛い!”とか、“ちょっと浴衣はだけてて色っぽいなぁ…”だとか、こそこそと言葉を交わしていることに、亜莉亜は少したりとも気づいていない。
そんなとき……
「キャァァッ!!」
鋭い悲鳴が聞こえ、亜莉亜はパッと振り返った。
『…こっちか!』
全力で廊下を突っ走る亜莉亜。
そのあとに、居合わせた隊士たちがぞろぞろと続く。
廊下の角を曲がると、建物の外に出られる通用口の扉が開いていた。
そこから外に出た亜莉亜が見たものは……
「あはは……いや、ちょっと脅かすだけのつもりだったんだけど…」
頭から被っているシーツから顔を出し、肩をすくめている龍。
そして、地面に倒れている男性隊士。
あと、悲鳴をあげたらしい女性隊士二人……。
一瞬で状況を把握した亜莉亜の眉間に、深いしわが刻まれた。
『龍ぅぅう?お前、何ふざけてるんだ?まさか、私が見ていないのを良いことに、いっつもこんな悪さをしてたんじゃないよなぁ?どうなんだよ、四席殿』
「すすす、すんません!!も、もも勿論いつもじゃないです!たまたま今日はお化けやってただけで…あはは、こんなこともあるんだなぁっ!あ、ははは……」
必死に誤魔化しながらも、龍はシーツをぐるぐると丸め自分の背に隠す。
亜莉亜はそれを冷ややかな眼差しで凝視している。
『まぁ、いい。説教は後だ。先にそいつを看なくちゃな……どうだ、意識は?』
亜莉亜は女性隊士二人に呼びかけ、倒れている隊士の横に膝をついた。
『──意識は無いが、脈は正常。特に外傷も無いし、単に失神してるだけだな。しばらくすれば勝手に起きるだろうから…誰かこいつを部屋まで運んでやってくれ』
亜莉亜はそう言うと静かに立ち上がった。
『怪我が無くて良かった』
ほっと表情を緩める亜莉亜。
だが、その安心は長くは続かなかった。
「このっ!離して!離してよっ!!」
若い女の声が聞こえ、その場にいた面々は驚いて頭上を見回した。
見れば、先ほど亜莉亜たちが出てきた建物の屋根の上で、体を押さえ込まれた黒服の女が叫び、暴れていた。
俺は跳ねるように立ち上がると、草履をつっかけて部屋のドアに手をかけた。
その瞬間──
「キャァァッ!!」
お風呂場のある方向から、耳をつんざくような鋭い悲鳴が聞こえた。
「ッ!」
俺は咄嗟に部屋の奥に戻り、愛刀“雷神”を片手にとると、閑散とした自室を飛び出した。
少し時は戻り──
大浴場に併設されていた小さな風呂場を貸し切って入浴した亜莉亜は、水滴の滴る長い髪を簡単に結い上げ、薄い浴衣を緩く着て、火照る顔を手で扇ぎながら廊下に出た。
「あれ!?隊長、こんばんは」
すれ違う隊士たちが、普段見ない亜莉亜の姿に驚き、挨拶をする。
亜莉亜は適当に返事を返すが、亜莉亜が通り過ぎた後の廊下では、沢山の隊士が亜莉亜の後ろ姿を見つめている。
特に──男性隊士が。
“うわ、お風呂上がり可愛い!”とか、“ちょっと浴衣はだけてて色っぽいなぁ…”だとか、こそこそと言葉を交わしていることに、亜莉亜は少したりとも気づいていない。
そんなとき……
「キャァァッ!!」
鋭い悲鳴が聞こえ、亜莉亜はパッと振り返った。
『…こっちか!』
全力で廊下を突っ走る亜莉亜。
そのあとに、居合わせた隊士たちがぞろぞろと続く。
廊下の角を曲がると、建物の外に出られる通用口の扉が開いていた。
そこから外に出た亜莉亜が見たものは……
「あはは……いや、ちょっと脅かすだけのつもりだったんだけど…」
頭から被っているシーツから顔を出し、肩をすくめている龍。
そして、地面に倒れている男性隊士。
あと、悲鳴をあげたらしい女性隊士二人……。
一瞬で状況を把握した亜莉亜の眉間に、深いしわが刻まれた。
『龍ぅぅう?お前、何ふざけてるんだ?まさか、私が見ていないのを良いことに、いっつもこんな悪さをしてたんじゃないよなぁ?どうなんだよ、四席殿』
「すすす、すんません!!も、もも勿論いつもじゃないです!たまたま今日はお化けやってただけで…あはは、こんなこともあるんだなぁっ!あ、ははは……」
必死に誤魔化しながらも、龍はシーツをぐるぐると丸め自分の背に隠す。
亜莉亜はそれを冷ややかな眼差しで凝視している。
『まぁ、いい。説教は後だ。先にそいつを看なくちゃな……どうだ、意識は?』
亜莉亜は女性隊士二人に呼びかけ、倒れている隊士の横に膝をついた。
『──意識は無いが、脈は正常。特に外傷も無いし、単に失神してるだけだな。しばらくすれば勝手に起きるだろうから…誰かこいつを部屋まで運んでやってくれ』
亜莉亜はそう言うと静かに立ち上がった。
『怪我が無くて良かった』
ほっと表情を緩める亜莉亜。
だが、その安心は長くは続かなかった。
「このっ!離して!離してよっ!!」
若い女の声が聞こえ、その場にいた面々は驚いて頭上を見回した。
見れば、先ほど亜莉亜たちが出てきた建物の屋根の上で、体を押さえ込まれた黒服の女が叫び、暴れていた。