我妻拓斗は…(以下略。)
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「じゃ、そろそろ帰ろうか。みんなもう宿舎の方に移ったみたいだし……」
執務室の戸締まりを終えた拓斗は、そう言って微笑んだ。
薄暗い窓の外をぼんやりと見ている亜莉亜は、何も答えない。
「亜莉亜~?帰ろう。送っていくよ」
拓斗の手が、亜莉亜の肩にそっと置かれた瞬間、亜莉亜はパッと振り返って言った。
『今日は、宿舎の方の部屋に泊まる。今日中に終わらせたい書類が多いんだ。お前は先に上がっていいから』
拓斗の笑みが凍りついた。
─我妻拓斗は零番隊隊長に過保護です。─
『何も、お前までこっちに泊まることはなかったのに』
宿舎の廊下で、俺の前を歩いている亜莉亜がそう言った。
「いやいやいや……だって、危険じゃん!」
『何故だ?』
「えっと、それは……ほら、亜莉亜は隊長なんだから、いつどこで誰に命を狙われてるか分からない!から──」
必死に言いながらも、我ながら苦しい言い訳だと思う。
『他の隊長格はほとんどが自隊の宿舎で寝泊まりしてる。それに、私だって、自分の身くらい自分で護れる。何が問題なんだ?』
亜莉亜は立ち止まり、きょとんとした顔で首をかしげた。
あぁ、もう…!
そういう可愛い仕草が危険を呼びそうで、こっちは心配してるっていうのに。
お願いだから大人しく自宅に帰ってよ…
俺は盛大にため息をついた。
『お前は、お前自身の休息に努めろ。分かったな?』
亜莉亜はそう言うと、さっさと歩き出した。
慌てて俺も歩き出す。
「亜莉亜、戸締まりはきちっとね。あと、薄着で歩き回っちゃ駄目だよ。それから──」
『分かった、分かった。じゃ、私の部屋ここだから、また明日な。』
「あ、何かあったらすぐに呼んでね!隣にいるから!」
適当な返事の後、亜莉亜は自室に入り、バタンとドアを閉めた。
若干軽くあしらわれた気がするけど…心配なんだよ、どうしても。
「はぁ…」
再びため息をつきながら、俺は亜莉亜が入った部屋の隣のドアを開けた。
入り口付近に小さな化粧室、ちらりと見てそのまま進めば、人ひとりが寝泊まりするのには丁度いいくらいの部屋が一つ。
特に生活用品は無く、置いてあるのは数枚の着替えの入ったタンスと、小さな机だけ。
質素だけど、これでもここ部屋は副隊長用の部屋。
恐らく、隊長用とはいえ亜莉亜の部屋もここと変わらないだろうね。
とりあえず机の前に腰を下ろし、手荷物を広げる。
今日中に終わらせないといけない書類が出てきて、すぐに墨と小筆を用意する。
書類の処理が終わり、一息ついたそのとき……俺は大変なことに気がついた。
「お風呂!」
この宿舎の各部屋にお風呂はついていない。
そもそもこの宿舎はかなり古く、元々は宿舎として使われる予定が無かったため、設備は完全じゃなくて…。
それで、ここで暮らしてる隊士たちは別に作られたお風呂を共同で使ってる。
つまり、そこまでの行き帰りは…
執務室の戸締まりを終えた拓斗は、そう言って微笑んだ。
薄暗い窓の外をぼんやりと見ている亜莉亜は、何も答えない。
「亜莉亜~?帰ろう。送っていくよ」
拓斗の手が、亜莉亜の肩にそっと置かれた瞬間、亜莉亜はパッと振り返って言った。
『今日は、宿舎の方の部屋に泊まる。今日中に終わらせたい書類が多いんだ。お前は先に上がっていいから』
拓斗の笑みが凍りついた。
─我妻拓斗は零番隊隊長に過保護です。─
『何も、お前までこっちに泊まることはなかったのに』
宿舎の廊下で、俺の前を歩いている亜莉亜がそう言った。
「いやいやいや……だって、危険じゃん!」
『何故だ?』
「えっと、それは……ほら、亜莉亜は隊長なんだから、いつどこで誰に命を狙われてるか分からない!から──」
必死に言いながらも、我ながら苦しい言い訳だと思う。
『他の隊長格はほとんどが自隊の宿舎で寝泊まりしてる。それに、私だって、自分の身くらい自分で護れる。何が問題なんだ?』
亜莉亜は立ち止まり、きょとんとした顔で首をかしげた。
あぁ、もう…!
そういう可愛い仕草が危険を呼びそうで、こっちは心配してるっていうのに。
お願いだから大人しく自宅に帰ってよ…
俺は盛大にため息をついた。
『お前は、お前自身の休息に努めろ。分かったな?』
亜莉亜はそう言うと、さっさと歩き出した。
慌てて俺も歩き出す。
「亜莉亜、戸締まりはきちっとね。あと、薄着で歩き回っちゃ駄目だよ。それから──」
『分かった、分かった。じゃ、私の部屋ここだから、また明日な。』
「あ、何かあったらすぐに呼んでね!隣にいるから!」
適当な返事の後、亜莉亜は自室に入り、バタンとドアを閉めた。
若干軽くあしらわれた気がするけど…心配なんだよ、どうしても。
「はぁ…」
再びため息をつきながら、俺は亜莉亜が入った部屋の隣のドアを開けた。
入り口付近に小さな化粧室、ちらりと見てそのまま進めば、人ひとりが寝泊まりするのには丁度いいくらいの部屋が一つ。
特に生活用品は無く、置いてあるのは数枚の着替えの入ったタンスと、小さな机だけ。
質素だけど、これでもここ部屋は副隊長用の部屋。
恐らく、隊長用とはいえ亜莉亜の部屋もここと変わらないだろうね。
とりあえず机の前に腰を下ろし、手荷物を広げる。
今日中に終わらせないといけない書類が出てきて、すぐに墨と小筆を用意する。
書類の処理が終わり、一息ついたそのとき……俺は大変なことに気がついた。
「お風呂!」
この宿舎の各部屋にお風呂はついていない。
そもそもこの宿舎はかなり古く、元々は宿舎として使われる予定が無かったため、設備は完全じゃなくて…。
それで、ここで暮らしてる隊士たちは別に作られたお風呂を共同で使ってる。
つまり、そこまでの行き帰りは…