「全く…何回間違えば気が済むんですの？」
江恋はぐちぐちと嫌味を言いながら、自分の席に帰っていった。
「お前も物好きだな…」
江恋に注意をされていた隊士の隣に座る隊士が言った。
「だって…やっぱ可愛いじゃん♪」
ぽけーっとした表情で答え、そして男は続けた。
「あぁやっていつもはツンツンしてるけど、中身はすっごく優しい子なんだぜ。ん～可愛すぎ。」
どうやら彼は江恋にぞっこんらしい。
「お前の勘違いじゃなきゃ良いけどな。」
「うるせー」
いつかは必ず江恋ちゃんをこの手に！！
そう心の中で誓うのであった。


零番隊平隊士・紅そらの場合

「そらくぅ～ん、これ受け取って！」
「そらくん、こっちを！」
ハートマークを大量に飛ばしながら僕に走り寄る女性死神たち。
そんなとき、決まって僕はこうする。
「皆、ありがとう♪だぁい好きだよっ！！」
にっこりと微笑みながら。
たくさんのお弁当やお菓子を確保。
よし、今日もご飯は準備しなくていいね！
「きゃーっ！！今笑ったわ！天使の微笑みよ！！」
「い、今、目が合ったわ！！」
「可愛すぎるわ！弟にしちゃいたいくらい！！」
騒ぐ彼女らを前に、僕は適当に「またね！」とか言って、逃げる。
僕だって暇じゃないからね。
零番隊の一員だもん。
でも、天使の微笑みとか、何だよって思う。
金髪ショートは天使って固定概念だよね。絶対に。
それに、僕男の子だもん。
可愛いなんて嬉しくないよ。
かっこいいの方が嬉しい…。

隊舎に着くと、隊長と副隊長がいて、僕の荷物に驚いていた。
「また貰ったの？そらは人気者だね。」
副隊長だって凄い人気者じゃん。
「んー…とりあえず、食費が浮くから嬉しいよ？」
『ちゃんとした彼女は作らないのか？少しくらい好みのやつもいるだろう。』
その台詞、そのまま返すよ。隊長。
「僕は皆のアイドルだから、恋人は作らないんだ♪」
そう言った僕に、二人が固まった。
アイドルはアイドルだもん。