零番隊平隊士・鈴宮華恋の場合

「よし、いたぞ！早く行けよ！」
「お、おう！いい、行ってくる！」
友人らしき人物に背中を押され、一人の男が華恋の前に飛び出した。
「え、ええ？」
驚きを隠せない華恋。
「えっと…俺、華恋ちゃんが好きです！…付き合ってくだs」
「ちょ、ちょっと待って下さい！！」
シュッ
華恋、焦って瞬歩で逃走。
「…？ふられた？」
「でも、待ってって言ったぞ？」
「じゃ、何だ？」
「知らねえよ。」

直後、零番隊隊舎にて。
「た、隊長！」
『華恋？そんなに息切らしてどうした？』
「こ、ここここ、告白、されて…どうしたら良いか分からなくて…」
『何だと！？』
亜莉亜は勢いよく立ち上がり、亜莉亜が先程まで座っていた椅子は大きな音を立てて転がった。
『断ってくる！』
「待てよ、隊長。華恋ちゃんの気持ちはどうなんだよ？」
珍しく冷静な龍の言葉に、皆視線は華恋に集中した。
「華恋、あなたが嫌なら、私はその相手をめった切りにしてあげますわ。」
華恋の双子の姉である江恋が華恋に寄り添った。
『華恋、どうなんだ。』
「わ、私は…嫌ですっ！！」
『よしきた！行くぞ、お前ら！』
亜莉亜の言葉と共に外へと飛び出す零番隊。
次の日、男の属していた八番隊の隊舎前には、二人の男性死神が白目をむいて倒れていた…とさ。
「ただ告っただけなのに…」
「零番隊にちょっかい出したのが運の尽きだったねぇ。」
京楽はそう言って笑うと、持っていた酒をあおった。


零番隊平隊士・鈴宮江恋の場合

「この書類、不備がありましたわ。訂正をお願いします。」
江恋はそう言って、一人の隊士の前に書類をつきだした。
見た目と口調自体は穏やかなお嬢様そのものだが、その言葉は少々とげを含んでいた。
「あ、すみません。今すぐ訂正します。」
本来平隊士同士で上下関係はないはずだが、その隊士は大人しく返事をした。