拓「ねぇ、亜莉亜。病み上がりなのに、こんなことして大丈夫なの？」
心配そうな表情で拓斗が亜莉亜に近寄る。
『…零番隊隊長に二言は無い。』
強がる亜莉亜に、拓斗は小さくため息をついた。

一護「じゃ、いくぜ？…よーい、ドン！！」
一護の合図により、亜莉亜と剣八が一升瓶に口をつけた。
京「おっ♪良い飲みっぷりだねぇ。」
浮「亜莉亜、あまり無理するなよ…」
何だかんだ言って楽しそうに観戦している護廷十三隊の《隊長格》。
そう、酔いつぶれていても、変な躍りをしていても、いくらみっともなくても、一応隊長格――。
その輪の間を縫うようにして出てきた一護に、心配そうな織姫が近寄った。
織「黒崎くん…亜莉亜さん大丈夫かな？」
一護「さぁな。俺も、いくら亜莉亜でも剣八には勝てねぇ気がする。…ま、亜莉亜んとこには拓斗もいるし、何とかなるだろ。」
織「そう…だよね！」
一護「んじゃ、こっちはこっちで騒ぐか！」
織「はーい♪」
織姫はにっこりと笑った。

最強の酒豪二人の本気の戦いが始まってはや二時間…
二人の回りには、あり得ないほどの酒瓶が転がっている。
しかし二人は平然と飲み続けている――ように見えていた。
『…更木？』
剣八の様子がおかしいことに気付き、亜莉亜は目を上げる。
剣「…」
何も答えないでただ宙を見つめている剣八。
皆の注目が集まる中、ゆっくりとその巨体が傾いた。
亜莉亜の口に弧が描かれる。
バタァァン！！
ついに剣八が倒れた。
や「剣ちゃんっ！！」
一角「更木隊長！！」
動揺が広がる中、審判役を任されていた一護は慌てて亜莉亜の元へ向かい、亜莉亜の右手をつかんで上げた。
一護「勝者、神影亜莉亜！！」
高らかにそう宣言すると、亜莉亜を応援していた者たちから大きな歓声が上がった。