拓「それはともかく…もしかして、亜莉亜たちもお風呂？」
『ん？そうだが。』
龍「混浴じゃなくて残念だったな、副隊長！」
拓「その台詞、そのまま返してあげる。」
そ「怒らない怒らない♪さぁみんなでお風呂行こうっ」
そらの無邪気な言葉に、全員がおずおずと頷いた。

がらがらと露天風呂の扉を開けると、真っ白な蒸気が亜莉亜たちを包み込んだ。
杏「わぁっ♪」
ご機嫌な杏樹。
『…誰かいるな。』
亜莉亜が呟く。
すると、温泉につかっている人影が振り向いた。
「あっ♪亜莉亜さんだ。」
『その声は…井上！？』
驚いたように亜莉亜が言うと、織姫は元気よく返事をした。
『驚いたな…まさかお前に会うとは。』
タオルを巻いたまま、温泉に浸かる亜莉亜たち。
織「黒崎くんたちも一緒ですよ。」
『あいつらもか。』
ってことは、先客っていうのはこいつらの事だったか。
普通の一般客でなくて良かった。
…ん？
『井上、黒崎たちは？』
織「黒崎くんたちも温泉にいると思いますけど…？」
杏「つまり、そういうことですね。」
苦笑いしながら、男湯との境界を示す背の高い垣根に目をやる杏樹。
龍「えーっと…山本林檎だっけ？」
一「黒・崎・一・護だぁッ！！勝手に名前を作るんじゃねえ！それに、林檎とか微妙にボケてんじゃねえ！！」
拓「じゃ、苺くんでいいね。」
一「良くねえ！」
雨「黒崎…五月蝿いぞ。」
茶「ム…」
そ「わぁい♪温泉だ～！」
龍「そら、泳いでいいんだぜ♪」
一「良いわけあるかッ！」
拓「君も忙しそうだねぇ…わざわざ突っ込まなくても良いんだよ？」
怜「…五月蝿い…」
男湯から聞こえてくる五月蝿すぎるほどの話し声に、亜莉亜のイライラ度が徐々に高まっていく。
そしてついに…
『縛道の六三！！鎖条鎖…』
拓「わわっ！亜莉亜ごめん！！」
『…』
縛道を放とうとした亜莉亜を拓斗が必死な声で止めた。