魅月たちの反乱が収束して幾日。
親睦会をかね、零番隊は現世に慰安旅行に来ていた。
しかし、旅館についてしばらくしたとき、大きな事件が起こった。
何と、護廷十三隊の面々が来てしまったのだ。
噂によると、これは女性死神協会の画策らしい。
零番隊が旅行！？→羨ましい→じゃ、私たちも。→ついでに、零番隊を驚かせちゃいましょ…
そんな感じで護廷十三隊の慰安旅行が決定したらしい。
…来てしまったなら仕方ない。
零番隊だけの休息は、もう、諦めるか。
私は深いため息をついた。

そんなこんなで始まった零番隊・護廷十三隊、合同の温泉旅行。
一応、名目上は《慰安旅行》らしいが、女性死神協会が陰で操っている以上は、遊びと言っても問題あるまい。
ちなみに、この状態は女性死神協会の策略であるということに、山じいはまだ気づいていないらしい。
実際のところ、乱菊ややちるが中心になって、山じいに"たまには温泉にでも浸かって、お体を休めた方がいいですよ？"とか、"##NAME3##たちとも一緒に皆で旅行に行こうよ！絶対楽しいよ♪"だとか言って、山じいをその気にさせたそうだ。
結局、十二番隊を除く全ての隊長格が動員され…こうして現世の旅館へと出向く事になったという。
ちなみに涅は、旅行に行く時間があるなら、今進めている研究に没頭したかったんだとさ。
拓「亜莉亜？どうかした？」
私がぼーっとしているように見えたのだろうか。
拓斗が私の顔を覗きこむ。
真っ白なシャツがよく似合っている。
素直にそう思う。
拓「…？」
『…いや、何でもない。』
私は微笑んだ。
『それより…あいつらは？』
拓「あっち。…楽しそうにしてるよね。」
拓斗の指差す先には、お土産屋を探索しきゃっきゃとはしゃぐ、杏樹、龍、魅月、華恋、江恋、そら。
そして、それを保護者のような温かい瞳で見つめる怜。
拓「たまには、こういうのも良いかもね。」
拓斗の言葉に、私は笑顔で頷いた。
拓斗が顔を背けたように見えたのは、私の気のせいだろうか？