そう、そこには、冬獅郎が斬魄刀の能力で作ったらしい、氷でできた大きな花束があったのだ。
透き通った氷に、繊細な細工が施されているそれは、亜莉亜の目をくぎ付けにした。
『拓斗、それ、とってくれ。』
拓「…はい、どうぞ。」
拓斗から手渡され、亜莉亜は氷の花束をそっと抱いた。
『こういう花も、良いもんだな。』
ふわりと笑みを浮かべながら、亜莉亜は言った。
普通の花にあるような色も匂いもなかったが、その透き通って輝く氷の花は亜莉亜の気持ちを落ち着かせた。
…もう写真集なんてどうでもいいか。
亜莉亜はそう思った。

その後も、浮竹と享楽が見舞いに来て、大量のお菓子と酒を放置していったり、白哉からワカメ大使の和菓子が１００箱送られてきたりと、二人は大変な一日を過ごした。
そして遂に、面会時間が修了となりかけたとき…

ドドドドド…
突然聞こえてきた地響きに、亜莉亜は驚いた。
『何だこの音は！？』
拓「ちょっと様子を見てくるね。」
拓斗はドアに手をかけたが…
バァン！！
ドアは反対側から、物凄い勢いで開いた。
拓「わぉ。強面の集団だ。」
『…チッ』
剣「おい、こら、神影！斬魄刀を握りやがれ！試合だ死合！約束しただろうが！」
部屋に置いてあるものがガタガタと揺れるほどに、剣八は大きな声で叫んだ。
『駄目だ。今は…』
剣「あ゛？いいから試合だ！」
や「だめだよ、##NAME3##。約束は守らなきゃ！」
『それは守るさ。だが…』
拓「今はまだ霊圧が戻ってないから駄目なの。今日のところは早く帰ってくれない？」
亜莉亜を庇うように、拓斗は更木の前に立った。
剣「何だ、てめぇ。俺の邪魔をする気か！」
拓「俺にとってはアンタが邪魔だよ」
にらみ合う拓斗と剣八。
もう一触即発の雰囲気である。