亜莉亜は渡された二冊の本の題名を見て、ピタリと固まった。
拓「亜莉亜？」
冬「どうかしたか？」
拓斗と冬獅郎は不思議そうに、亜莉亜が持つ本を覗きこんだ。
拓「こ、これは…！」
乱「そう、女性死神に大ヒットした、日番谷隊長の写真集《冬のライオン》と、今最も注目されている神影亜莉亜隊長、初の写真集《闇の女神》なの！！」
目を見開く拓斗と、自慢するように胸を張る乱菊。
冬「『松本ぉぉぉおお！！』」

冬獅郎と亜莉亜は同時に叫んだ。
乱「なかなか良い収入源になるんですよぉ」
冬「なぁにぃが収入源だ！神影に変なもん渡してんじゃねぇ！！」
『こんなもん勝手に作るな！私は許可なんて出してないぞ？肖像権の侵害だあ！だいたい、いつ撮ったんだ！』
赤面する冬獅郎に、パニックになる亜莉亜。
乱「えぇ～いいじゃないですか。せっかく作ったんですし。撮影はですね、護廷の隊長格から資金を支援してもらって、技術開発局で最高級望遠レンズ付かつ透視機能付きのカメラを…」
『もういい！それ以上は言うな…』
頭を抱え、落ち込む亜莉亜。
乱「とにかく、尸魂界中が発売を心待にしていて、女性死神協会が最も力を入れた写真集なんです！！」
拓「ってことは、発売はまだなの？」
『！』
拓斗の言葉を聞いて、亜莉亜はパッと顔をあげた。
乱「ん～。大っぴらな販売はまだよ。だけど、裏ルートではとっくの昔から販売は始まってるわ。」
なかなかの売れ行きなのよ、と自慢げに語る乱菊。
『はあ、回収は不可能か。だが、そこまで人気があるものなのか？私の写真集なんて…』
乱「何言ってるんですか！神影隊長の写真集ですよ？人気が無いわけないじゃないですか！神影隊長も、ご自分で見てみてくださいよ。」