冬「霊圧消失寸前だったって聞いたから心配してたんだが、意外と元気そうで良かった。」
表情を和らげる冬獅郎。
『日番谷、色々とありがとうな。』
冬「俺は何もしてねぇよ。」
穏やかに微笑む二人。
乱「え、何かいい感じじゃない？」
二人から少し離れた場所で、小さな声で呟く乱菊。
だがその後ろに、瞬時に何者かの霊圧が現れた。
拓「駄目だ駄目だ駄目だぁぁ！こんなの宜しくないっ！」
拓斗は、声を抑えつつも叫んだ。
亜莉亜と冬獅郎は気付いていないらしい。
は二人で穏やかに会話を楽しんでいる。
乱「あ、拓斗。」
拓「何がいい感じだよ。駄目だ、何か許せない！」
拓斗は亜莉亜たちの前に飛び出そうとする。
乱「ちょ、待ちなさいよ！」
拓「無理！」
乱菊の制止を振り切り、拓斗は駆け出した。
といっても、たいした距離はないのだが。
乱「拓斗！いや、これはこれで面白いわね。放っておきましょ。」
拓斗の背を見ながら、フフっと笑う乱菊。
拓斗は、亜莉亜と冬獅郎との間に、無理矢理入り込んだ。
『拓斗…？』
冬「我妻？」
驚きを隠せない二人。
拓「はいはーい！面会修了！」
冬「は？」
拓「ほ、ほら。亜莉亜まだ病み上がりだし？あんまり長時間は…ね！はい！」
実際、亜莉亜から冬獅郎を引き離したかっただけの拓斗だが、なんとか適当な理由を見繕った。
冬「あぁ、そうだな。悪かった、神影。じゃ、俺たちは隊に帰るか。」
冬獅郎は拓斗の言葉に納得し、乱菊を促した。
乱「えぇ～また書類ですかぁ？嫌ですよ。帰りたくありません！」
冬「言い訳は聞かねえ。さっさと帰るぞ！」
乱「仕方ないですね。じゃ、最後に亜莉亜隊長にこれを…」
乱菊は亜莉亜の側に来ると、二冊の本…らしきものを渡した。
乱「暇なときに見てみて下さいねぇ！」
『あ、あぁ…あ？』