『全額、零番隊に請求すると？…何抜かしてやがるんだ。』
…あの日は、全隊で虚の相手をしたはず。
零番隊が出した損害が大きかったことは認める。
ついでに零番隊の給料が他よりかなり高いことも認めてやる。
だが、いくらなんでも、全ての修理代を零番隊に請求するのは酷すぎる！
『この根拠は一体どうなってるんだ。』
拓「さぁ？ま、だいたいの責任は俺たちにあるからってことじゃない？」
『…冗談じゃない。いくらなんでも、こんな額を払わされれば、零番隊だって破綻する。』
拓「もしかして、護廷から零番隊への、破綻しろってメッセージなんじゃ…」
『……』
拓「……」
黙り込む二人。
『！…なぁ拓斗。零番隊管理の責任者って誰だったか覚えてるか？』
亜莉亜は意味ありげな目をしながら、拓斗にそう聞いた。
拓「！」
拓斗は、亜莉亜が言っている言葉の意味を理解した。
『今から、行ってきてくれないか？霊王の所に。で、これを全額請求しよう。』
拓「おっけー！いつも俺らをこき使ってくれてるし、こういうときくらいは役にたってもらわなきゃね。」
『あぁ。それに、あそこなら、こんな額くらいちょろいもんだろ。じゃ、宜しくな。』
亜莉亜は笑顔で拓斗を送り出した。

ピラッ…
私は、拓斗がおいていった書類の整理を始めた。
『どれも、隊長の確認印だけか。』
他の記入は全て拓斗が済ませているようだ。
だが、書類整理以外にすることもなかったので、私はその一枚一枚に目を通し始めた。

コンコン…
しばらくして、病室のドアが何者かに叩かれた。
「神影隊長。お客さまがお見えになっていますが、お通ししても宜しいでしょうか？」
四番隊隊員の声に、私は顔を上げた。