桜ノ宮魅月、桜ノ宮怜、龍ヶ崎江恋、紅そら。
心に深い傷を負った彼らは、復讐のため、尸魂界に反旗をひるがえした。
彼らの呼び寄せた膨大な数の虚により、壊滅的な被害を受けた瀞霊廷ではあったが、その反乱の後遺症が落ち着き始めた今、瀞霊廷には穏やかな平和が戻り始めてきていた。


　――20000hit記念――
つかの間の休息



薬剤の匂いが漂うここは、四番隊の綜合救護詰所。
魅月たちの反乱によりダメージを負った私たちは、ここに入院させられていた。
とはいえ、あの日から一週間が経ち、未だに退院できずにいるのは、私くらいだ。
『…はぁ。』
ため息をついてはみるものの、状況は何も変わらない。
表面上は軽傷だった私だが、霊圧の多用での、体の負担が酷かったらしい。
卯ノ花曰く、あと少しでも処置が遅れていれば、霊圧の完全消失もしくは霊圧の暴走によって、貴女の命は危うくなっていましたよ。だと。
まぁ、私にとっては想定内だったけれど。
そんなこんなで、今までは集中治療室に入れられて、面会謝絶という状況だった。
だが霊圧が安定してきたため、今日からは一般病棟での休養になったのだ。
つまり、面会謝絶も解除されるわけで。
拓「んで、これがこうだから」
杏「あぁ、隊長がご無事でなにより」
龍「あ、この団子うめぇ！」
私を見舞いに来てくれたらしい、拓斗、杏樹、龍の三人は、早朝から今（昼前）まで、ずっと私の病室でくつろいでいた。
拓「つまり、って、亜莉亜聞いてる？」
亜莉亜の顔を拓斗が覗き込んだ。
拓斗の手には、書類らしきものが握られている。
『…へ？…あぁ、すまない。』
拓「何か考え事？もしかして、まだ、身体きつかった？ごめん、気がつかなくて…」
困ったような顔をする拓斗。