拓「亜莉亜」
『？…何だ』
そんな中、拓斗は亜莉亜の足元を見てつぶやく。
拓「はしたないよ。」
『うるさい』
拓「え～、だって、ここに来たら亜莉亜の綺麗な着物姿が見れると思って来たのに、亜莉亜ったら、せっかくの下駄を脱ぎ捨てるし、着物は汚してるし」
『仕方ないだろうが。あの下駄にこの着物じゃろくに戦えない。』
拓「ま、そりゃそうだよね。」
そんな会話をしながら、亜莉亜は闇鬼を鞘に戻し、着物を整え、下駄を履き直す。
菫「亜莉亜ちゃん。あんた、死神だったんね。」
悲しそうな顔をして呟く菫に、亜莉亜は言葉をつまらせる。
『…菫…ば…ちゃん』
菫は真剣な顔で亜莉亜を見つめる。
菫「亜莉亜ちゃん、真面目にお聞き。死神なんてもん辞めなさい。」
『！…そんな、わけにも』
菫「亜莉亜ちゃんにもしものことがあったら、あたしゃ、もう生きていけないよ。どうせ、そんなに偉かないんじゃろ？」
拓斗がそっぽを向いて笑いを堪えているのが目に入る。
『あ、いや……だから』
亜莉亜は返す言葉を探す。
菫「死神なんて、野蛮なもんよ？危ないじゃろうが。辞めれるうちに辞めとき。」
『だがっ、死神にだって…』
亜莉亜が次の言葉を繋げようとしたとき、遠くから亜莉亜を呼ぶ声が聞こえた。
龍「隊長～～～っ！！早く甘味屋に行こうぜ！！」
杏「龍！何言ってるのよ！！あんたは書類っ。隊長！！お怪我はありませんかーっ」