カラカラ…
「姉ちゃん！来てたのか！！」
いきなり玄関が開き、外から数人の子供たちが駆け込んで来た。
その子供たちは亜莉亜の周りに来ると、我先にと飛びつく。
菫「こらこら。いくら亜莉亜ちゃんが来てるから言って、家の中で走っちゃいかんよ。」
菫が注意するものの、子供たちは全く聞いていない。
『ちょ…こら、重いぞ……重い！大きくなったな、お前ら』
ほんの一年前までは亜莉亜の腰の高さまでなかった子供たちが大きくなっていることに気づき、驚く。
この子供たちも菫のことをよく慕っていて、数年前、亜莉亜がここを訪れた際に偶然出くわしたのだ。
それ以来、子供たちは亜莉亜を姉のように慕っている。
子「姉ちゃん綺麗になった！」
『変わってないだろう』
子「太った！！」
一人の男の子が冗談を言う。
『太ったのはお前だ。たくさん食べて良いことだ』
子「あははっ。ばれちゃった！」
なかなか子供からも人気がある亜莉亜。
子供扱いをしないというところが好かれているらしい。
子「姉ちゃんち、いったい何処なの？今日は教えてよ。」
ショートカットの女の子が尋ねる。
『さぁ、何処だろうな。』
笑ってごまかす。
それに対し、少女は頬を膨らませる。
子「いっつも教えてくれないじゃんっ！あたし、亜莉亜姉ちゃんにもっと会いたいの！！」
『そう言われてもな──ほら、企業秘密ってやつだ。』
子「企業秘密って何だよ！」
別の子供につっこまれる。
『…ま、いつか教えてやるから』
子「やだぁ！今教えて！！」
なかなか引かない。
それだけ亜莉亜が大好きなのだ。