セピア色のメモリー
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『ここは──』
五月蠅いほどの人の声、禍々しいほどの霊圧。
どうやら流魂街の路地らしき場所に出たらしい。
しかし、この騒ぎは何?
湿った土を踏みしめながら、路地から大通りに出る。
生臭い風が吹き、亜莉亜の羽織を揺らした。
『あ……』
辺り一面に煙が上がり、ばらまかれた如く虚たちが蠢いている。
この地区の担当だろうか。死神はいるが、あまりの虚の多さに対応が追い付かないのであろう、逃げ惑う人々を誘導するのに精一杯の様子。
亜莉亜は腰の斬魄刀に触れた。
加勢しようか。
しかし、自分の存在は、他の死神には隠されている。
だからと言って、もちろん見て見ぬふりなどできない。
『誰か分からなければ、良いよね』
フードを被り、ぎゅっと引く。
『揺るぎない心、隊長らしい振舞い』
自分自身に言い聞かせるように呟く。
ここから変わるんだ。拓斗に恥じない”隊長”になる。
もう誰も傷つけないように。
『神影亜莉亜、参る──!』
キッと顔を引き締め、強く地面を蹴った。
「早く逃げてください!」
何度叫んだだろうか。
流魂街の住民たちを逃がしても逃がしても、虚の数には叶わない。
ボロボロの体に鞭打って斬魄刀を握れど、目に映るのは喰われていく魂たちだけ。
隊長でも副隊長でも、ましてや席官でもない無力な自分には、もはや叫ぶことしかできないのか。
「地獄だ」
泣き叫ぶ子どもの声、逃げ惑う人々の悲鳴。
ふと足元が暗くなり、顔を上げれば、すぐ目の前に虚が来ていた。
もう駄目だと覚悟をする。
しかし、その攻撃が届くことはなかった。
「え……」
どこから来たのだろうか。
白いフードを靡かせた人物が、一瞬にして虚の首を切り落とした。
増援か?いや、こんな人いたか?
混乱する死神をよそに、白いフードの人物が振り向く。
顔は影になって見えないが、一筋の髪の毛がフードの脇から覗いていた。
見たこともない水色の髪だった。
『無事か』
舞い降りたそれは、まるで救いの女神のようだった。
五月蠅いほどの人の声、禍々しいほどの霊圧。
どうやら流魂街の路地らしき場所に出たらしい。
しかし、この騒ぎは何?
湿った土を踏みしめながら、路地から大通りに出る。
生臭い風が吹き、亜莉亜の羽織を揺らした。
『あ……』
辺り一面に煙が上がり、ばらまかれた如く虚たちが蠢いている。
この地区の担当だろうか。死神はいるが、あまりの虚の多さに対応が追い付かないのであろう、逃げ惑う人々を誘導するのに精一杯の様子。
亜莉亜は腰の斬魄刀に触れた。
加勢しようか。
しかし、自分の存在は、他の死神には隠されている。
だからと言って、もちろん見て見ぬふりなどできない。
『誰か分からなければ、良いよね』
フードを被り、ぎゅっと引く。
『揺るぎない心、隊長らしい振舞い』
自分自身に言い聞かせるように呟く。
ここから変わるんだ。拓斗に恥じない”隊長”になる。
もう誰も傷つけないように。
『神影亜莉亜、参る──!』
キッと顔を引き締め、強く地面を蹴った。
「早く逃げてください!」
何度叫んだだろうか。
流魂街の住民たちを逃がしても逃がしても、虚の数には叶わない。
ボロボロの体に鞭打って斬魄刀を握れど、目に映るのは喰われていく魂たちだけ。
隊長でも副隊長でも、ましてや席官でもない無力な自分には、もはや叫ぶことしかできないのか。
「地獄だ」
泣き叫ぶ子どもの声、逃げ惑う人々の悲鳴。
ふと足元が暗くなり、顔を上げれば、すぐ目の前に虚が来ていた。
もう駄目だと覚悟をする。
しかし、その攻撃が届くことはなかった。
「え……」
どこから来たのだろうか。
白いフードを靡かせた人物が、一瞬にして虚の首を切り落とした。
増援か?いや、こんな人いたか?
混乱する死神をよそに、白いフードの人物が振り向く。
顔は影になって見えないが、一筋の髪の毛がフードの脇から覗いていた。
見たこともない水色の髪だった。
『無事か』
舞い降りたそれは、まるで救いの女神のようだった。