セピア色のメモリー
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今頃、尸魂界はどうなっているのだろう。
拓斗は、もう私の手紙を受け取った筈だ。
怒るだろうか、それとも、悲しむだろうか。
少なくとも、納得はしていないと思う。
拓斗に何も言わずに出てきたことは、少し心残りだ。
でも、多分拓斗に会って話したなら、きっと説得されてしまう。
もしくは、拓斗もついてくると言うかもしれない。
それじゃ、意味が無いと思う。
一人で頑張らなきゃ。
そうしないと、強くなれない。
──尸魂界から出た私は、今、虚園に来ている。
何故虚園かというと、まず修業の相手となる虚が沢山いるからだ。
霊子の濃度により力が強くなってしまうのを防ぐため、元々持っている自分の霊圧はほぼ全て抑えている。
だから、少し身体が重たい。
けれど、楽な修業じゃ意味がないから、それは仕方がない。
ゆっくりと歩を進めれば、一面に広がる白い砂が煙を立てた。
隊舎から取ってきたフードつきの薄い羽織を口元に寄せる。
どこまで行っても景色は変わらない。
実は、虚園に行くことはできても、目的地を指定できなかったため、ここがどこか全く分からない。
だからといって、特に行きたい場所があるわけではないから、適当な虚を倒していくことにする。
霊圧は抑えているから、虚が自分から近寄ってくることは殆ど無い。
──本当に、こんな修業で強くなれるのだろうか。
そんな不安を胸に、視界に映る虚を片っ端から斬りに行く。
『手ごたえ、ないなぁ』
狙った虚の集団を斬り終え、ぽつりと呟く。
虚の集団に飛び込めば、かなりきつい修業になる。そう、思っていた。
しかし弱い集団しかいないため、簡単に片付けられてしまい、全く修業にならない。
──虚園で修業をするというのは、失敗だったかもしれない。
そんなことを漠然と考えながら、数日が経った。
『おかしい』
倒した虚を前に、亜莉亜は呟いた。
そう、何かがおかしいのだ。
虚園に来てからしばらくが経つが、まだ普通の虚にしか遭遇していない。
全ての虚の巣窟である筈の虚園で、大虚や巨大虚を一度も見ていない。
しかし、いくら考えてもそれが何故なのか、見当もつかなかった。
『うーん……』
ため息をつく。
まぁ、そんなことを考えていたって修業にはならないのだから。
何が起こっていようと、私には関係ない。
私はただ、強くなるためにここに来たのだから。
そう思って、俯いていた顔を上げた。
そのときだった。
「おい、あんた死神か?こんなとこで何してんだ。」
背後から、声が聞こえた。
驚いて、すぐに振り向く。
『誰!?』
声の主が亜莉亜の視界に入った。
それは、ボサボサに伸びた黒髪を一つに束ねた、奇妙な男だった。
「──質問を質問で返すんじゃねーよ。」
男は、そう言って亜莉亜を一瞥すると、ぽりぽりと頭を掻いた。
『す、すみません……』
男の言葉があまりに正論だったので、とりあえず亜莉亜は謝る。
すると、男は顔をしかめた。
謝りはしたのに、何故そんな反応をされるのか、全く意味が分からない。
拓斗は、もう私の手紙を受け取った筈だ。
怒るだろうか、それとも、悲しむだろうか。
少なくとも、納得はしていないと思う。
拓斗に何も言わずに出てきたことは、少し心残りだ。
でも、多分拓斗に会って話したなら、きっと説得されてしまう。
もしくは、拓斗もついてくると言うかもしれない。
それじゃ、意味が無いと思う。
一人で頑張らなきゃ。
そうしないと、強くなれない。
──尸魂界から出た私は、今、虚園に来ている。
何故虚園かというと、まず修業の相手となる虚が沢山いるからだ。
霊子の濃度により力が強くなってしまうのを防ぐため、元々持っている自分の霊圧はほぼ全て抑えている。
だから、少し身体が重たい。
けれど、楽な修業じゃ意味がないから、それは仕方がない。
ゆっくりと歩を進めれば、一面に広がる白い砂が煙を立てた。
隊舎から取ってきたフードつきの薄い羽織を口元に寄せる。
どこまで行っても景色は変わらない。
実は、虚園に行くことはできても、目的地を指定できなかったため、ここがどこか全く分からない。
だからといって、特に行きたい場所があるわけではないから、適当な虚を倒していくことにする。
霊圧は抑えているから、虚が自分から近寄ってくることは殆ど無い。
──本当に、こんな修業で強くなれるのだろうか。
そんな不安を胸に、視界に映る虚を片っ端から斬りに行く。
『手ごたえ、ないなぁ』
狙った虚の集団を斬り終え、ぽつりと呟く。
虚の集団に飛び込めば、かなりきつい修業になる。そう、思っていた。
しかし弱い集団しかいないため、簡単に片付けられてしまい、全く修業にならない。
──虚園で修業をするというのは、失敗だったかもしれない。
そんなことを漠然と考えながら、数日が経った。
『おかしい』
倒した虚を前に、亜莉亜は呟いた。
そう、何かがおかしいのだ。
虚園に来てからしばらくが経つが、まだ普通の虚にしか遭遇していない。
全ての虚の巣窟である筈の虚園で、大虚や巨大虚を一度も見ていない。
しかし、いくら考えてもそれが何故なのか、見当もつかなかった。
『うーん……』
ため息をつく。
まぁ、そんなことを考えていたって修業にはならないのだから。
何が起こっていようと、私には関係ない。
私はただ、強くなるためにここに来たのだから。
そう思って、俯いていた顔を上げた。
そのときだった。
「おい、あんた死神か?こんなとこで何してんだ。」
背後から、声が聞こえた。
驚いて、すぐに振り向く。
『誰!?』
声の主が亜莉亜の視界に入った。
それは、ボサボサに伸びた黒髪を一つに束ねた、奇妙な男だった。
「──質問を質問で返すんじゃねーよ。」
男は、そう言って亜莉亜を一瞥すると、ぽりぽりと頭を掻いた。
『す、すみません……』
男の言葉があまりに正論だったので、とりあえず亜莉亜は謝る。
すると、男は顔をしかめた。
謝りはしたのに、何故そんな反応をされるのか、全く意味が分からない。