セピア色のメモリー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
閉じられた瞼に光を感じる。
眩しくて、目を細めながら周囲を見回す。
新しい、けれど見慣れた部屋だった。
いつもの朝とは違う。
そう、ここは王属特務隊舎なのだ。
亜莉亜のことが心配で、今日は我妻の屋敷には帰らずに、ここに泊まったのだ。
流石に同じ部屋に、とはいかなかったけれど、同じ建物の中にいれば、何か異変があったときにすぐ対応できる。
そう考えて隊舎に泊まった訳だけど、俺も少しは疲れていたらしく、結局ぐっすり眠ってしまった。
拓「んー……」
身体を起こし、軽く伸ばしてみる。
普段はこうすればすぐ眠気は晴れるのに、今日は何故かそうはいかなかった。
まだ寝ていたい。
けれど、それよりも亜莉亜が心配で。
俺は気だるい身体を引きずり、隣の、亜莉亜が寝ている部屋へと向かった。
拓「亜莉亜、おはよー……開けていい?」
柔らかい声で呼びかける。
聞こえるであろう返事に備え、意識を集中する。
しかし、いくら待っても返事がない。
──もしかして、まだ寝てるのかな?
そんな予想に行き当たって、それなら、起こしていいものだろうかと思案する。
一旦襖から手を離すが、やっぱり心配さが勝ち、俺は襖に手をかけ、音を立てないようにそっと引いた。
暗い中に光が差し込み、部屋の様子が明らかになる。
そこに亜莉亜の姿は無く、綺麗に片付けられていた。
布団が仕舞われ、服が片付けられ、机の上も整頓されており──闇鬼が無かった。
愕然とする。
いや、ただ修行に出ただけかもしれない。
いつも亜莉亜の部屋は片付けられているし、きっとそうだ。
しかし、何となく胸騒ぎがして、落ち着かない。
俺はすぐに、亜莉亜がいそうな場所を探し始めた。
隊舎の中を探し、周辺を探し、亜莉亜がよく通っている隊を全て回り、流魂街にも出た。
途中で何度も、霊圧を探った。
──亜莉亜は、いなかった。
気がつけば、日が落ちて、辺りは薄暗くなっていた。
あちこちを探し回って、俺の体力は限界だった。
服と髪が汗で濡れて、気持ちが悪い。
けれど、今はそれ以上に亜莉亜のことが心配で、自分のことなんて気にならなかった。
もしかしたら、亜莉亜は隊舎に帰ってきているかもしれないと、微かな希望を胸に、隊舎に戻ることにした。
隊舎への道のりが、酷く長く感じられた。
やっと隊舎に着いたと思えば、門の前に顔を隠した衣装の何者かが立っていた。
不快感あらわに、俺は声をかける。
別に、その人が嫌だった訳ではないんだけど、ただ気分が良くなかったから。
すると、その人は無言で俺に折り畳まれた紙を差し出した。
俺が紙を受け取ったと同時に、その人は消えた。
疲れきった体を門の柱に預け、俺はその紙を開く。
一通り目を通して、俺はへたりと座り込んだ。
頭が真っ白で、もう何も考えられなかった。
ただ分かったのは、亜莉亜がいないという、それだけのことだった。
眩しくて、目を細めながら周囲を見回す。
新しい、けれど見慣れた部屋だった。
いつもの朝とは違う。
そう、ここは王属特務隊舎なのだ。
亜莉亜のことが心配で、今日は我妻の屋敷には帰らずに、ここに泊まったのだ。
流石に同じ部屋に、とはいかなかったけれど、同じ建物の中にいれば、何か異変があったときにすぐ対応できる。
そう考えて隊舎に泊まった訳だけど、俺も少しは疲れていたらしく、結局ぐっすり眠ってしまった。
拓「んー……」
身体を起こし、軽く伸ばしてみる。
普段はこうすればすぐ眠気は晴れるのに、今日は何故かそうはいかなかった。
まだ寝ていたい。
けれど、それよりも亜莉亜が心配で。
俺は気だるい身体を引きずり、隣の、亜莉亜が寝ている部屋へと向かった。
拓「亜莉亜、おはよー……開けていい?」
柔らかい声で呼びかける。
聞こえるであろう返事に備え、意識を集中する。
しかし、いくら待っても返事がない。
──もしかして、まだ寝てるのかな?
そんな予想に行き当たって、それなら、起こしていいものだろうかと思案する。
一旦襖から手を離すが、やっぱり心配さが勝ち、俺は襖に手をかけ、音を立てないようにそっと引いた。
暗い中に光が差し込み、部屋の様子が明らかになる。
そこに亜莉亜の姿は無く、綺麗に片付けられていた。
布団が仕舞われ、服が片付けられ、机の上も整頓されており──闇鬼が無かった。
愕然とする。
いや、ただ修行に出ただけかもしれない。
いつも亜莉亜の部屋は片付けられているし、きっとそうだ。
しかし、何となく胸騒ぎがして、落ち着かない。
俺はすぐに、亜莉亜がいそうな場所を探し始めた。
隊舎の中を探し、周辺を探し、亜莉亜がよく通っている隊を全て回り、流魂街にも出た。
途中で何度も、霊圧を探った。
──亜莉亜は、いなかった。
気がつけば、日が落ちて、辺りは薄暗くなっていた。
あちこちを探し回って、俺の体力は限界だった。
服と髪が汗で濡れて、気持ちが悪い。
けれど、今はそれ以上に亜莉亜のことが心配で、自分のことなんて気にならなかった。
もしかしたら、亜莉亜は隊舎に帰ってきているかもしれないと、微かな希望を胸に、隊舎に戻ることにした。
隊舎への道のりが、酷く長く感じられた。
やっと隊舎に着いたと思えば、門の前に顔を隠した衣装の何者かが立っていた。
不快感あらわに、俺は声をかける。
別に、その人が嫌だった訳ではないんだけど、ただ気分が良くなかったから。
すると、その人は無言で俺に折り畳まれた紙を差し出した。
俺が紙を受け取ったと同時に、その人は消えた。
疲れきった体を門の柱に預け、俺はその紙を開く。
一通り目を通して、俺はへたりと座り込んだ。
頭が真っ白で、もう何も考えられなかった。
ただ分かったのは、亜莉亜がいないという、それだけのことだった。