セピア色のメモリー
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王属特務隊舎には、おぼろげな目で宙を見つめる亜莉亜と、それを心配そうに見ている浮竹の姿があった。
浮竹は京楽と拓斗の姿を見つけると、静かに立ち上がった。
浮「やっと来たか。」
浮竹は拓斗の肩にそっと手を乗せる。
浮「後は任せたよ、拓斗。」
拓「分かってる」
拓斗は伏し目がちにそう答える。
浮竹はそんな拓斗に何かを言いかけるが、もどかしそうに口を閉ざし、拓斗の横を通り抜けた。
京楽と浮竹が隊舎を出ていくと、拓斗はそっと亜莉亜の横に座った。
ちらりと横目で亜莉亜の様子を伺うが、亜莉亜は相変わらずぼんやりとしているだけだ。
拓「ねぇ、亜莉亜?」
控えめな声で亜莉亜に声をかける。
すると亜莉亜はぎこちなく拓斗に目をやった。
拓「姫香ちゃんはきっと助かる。卯ノ花が手当てしてくれてるんだから。きっと大」
『私、は──』
《大丈夫》。そう言おうとした拓斗の声が、亜莉亜の弱々しい言葉によって止められた。
拓斗は温かい目で、亜莉亜の次の言葉を待つ。
『私は…っ』
先程よりも更に弱々しく掠れた声。
細かく震える亜莉亜の背中に、拓斗は苦しそうに目を細める。
拓「大丈夫。ゆっくりでいいから。」
そう、出来る限り優しい声で語りかければ、亜莉亜は小さく口を開いた。
『私は、この世界に必要?それとも、いらない?』
一瞬、拓斗は目を見開いたがすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
拓「何言ってるの?亜莉亜。君は必要だよ。」
小さな子供をなだめるようにそう言った拓斗だったが、亜莉亜の次の言葉で、拓斗のその言葉が少したりとも亜莉亜の心に通じていなかったことを知らされることになる。
『だよね。私なんて、いらないよね。こんな役立たずで、こんなに馬鹿で弱くて』
拓「亜莉亜?」
『友達を盾に使った最悪な奴なんて。』
拓「ちょっと、亜莉亜!君はそんなことして──」
浮竹は京楽と拓斗の姿を見つけると、静かに立ち上がった。
浮「やっと来たか。」
浮竹は拓斗の肩にそっと手を乗せる。
浮「後は任せたよ、拓斗。」
拓「分かってる」
拓斗は伏し目がちにそう答える。
浮竹はそんな拓斗に何かを言いかけるが、もどかしそうに口を閉ざし、拓斗の横を通り抜けた。
京楽と浮竹が隊舎を出ていくと、拓斗はそっと亜莉亜の横に座った。
ちらりと横目で亜莉亜の様子を伺うが、亜莉亜は相変わらずぼんやりとしているだけだ。
拓「ねぇ、亜莉亜?」
控えめな声で亜莉亜に声をかける。
すると亜莉亜はぎこちなく拓斗に目をやった。
拓「姫香ちゃんはきっと助かる。卯ノ花が手当てしてくれてるんだから。きっと大」
『私、は──』
《大丈夫》。そう言おうとした拓斗の声が、亜莉亜の弱々しい言葉によって止められた。
拓斗は温かい目で、亜莉亜の次の言葉を待つ。
『私は…っ』
先程よりも更に弱々しく掠れた声。
細かく震える亜莉亜の背中に、拓斗は苦しそうに目を細める。
拓「大丈夫。ゆっくりでいいから。」
そう、出来る限り優しい声で語りかければ、亜莉亜は小さく口を開いた。
『私は、この世界に必要?それとも、いらない?』
一瞬、拓斗は目を見開いたがすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
拓「何言ってるの?亜莉亜。君は必要だよ。」
小さな子供をなだめるようにそう言った拓斗だったが、亜莉亜の次の言葉で、拓斗のその言葉が少したりとも亜莉亜の心に通じていなかったことを知らされることになる。
『だよね。私なんて、いらないよね。こんな役立たずで、こんなに馬鹿で弱くて』
拓「亜莉亜?」
『友達を盾に使った最悪な奴なんて。』
拓「ちょっと、亜莉亜!君はそんなことして──」