『大丈夫大丈夫。もし何かあっても、私がどうにかするから！』
これでも王属特務隊長なんだから。
その辺の虚になんか、負けるわけがない！
何故かそんな自信があった。
拓「ま、十分気をつけてね。」
浮かない顔をしている拓斗をよそに、亜莉亜は現世に向かう準備を着々と進めていた。

次の日──
姫「おっはよぉ～、亜莉亜！」
教室に入ったとたん、亜莉亜は姫香による熱烈な歓迎を受けた。
『姫香、おはよう。』
笑顔で挨拶を返す。
姫「亜莉亜、今日はよろしく頼んだよっ！」
『うんっ！』
夜「何じゃ。気合十分じゃのう。」
喜「ホントっすねぇ。」
『夜一に喜助！』
仲の良い四人が集まり、自然と和やかな空気になる。
四人は、正午になるまでずっと会話を楽しんでいた。

予定の時間になり、暮街によって現世への穿界門が開かれた。
現世に到着した亜莉亜たちは、早速ペアに別れて作業を開始する。

姫「いた！いたよ、整の霊が！」
二手に別れて霊の捜索にあたっていた亜莉亜と姫香。
だが開始早々、姫香が霊を発見したため、亜莉亜は姫香の元に急ぐこととなった。
『あぁ。あの子？』
亜莉亜は、電柱の陰に隠れているらしい子供を指差した。
一見普通の霊にしか見えなかったが、亜莉亜はどこか不自然さを感じていた。
姫「そ！じゃ、早速魂葬して、先生に報告しちゃおうか。」
今ならきっと一番のりだよ！、と、姫香は子供の霊のもとに駆けよろうとした。
その瞬間、亜莉亜の脳内に、警告のようなものが走った。
『姫香！待って！』
必死の形相で、亜莉亜は走り出した。
姫「へ？」
驚いた姫香が、足を止める。