暮「全員揃っているな？ではこれから、男女混合での剣道試合を始める。」
暮街は堂々と宣言するが、院生たちはどよめくばかりだ。
「ちょっと、男女混合とか酷くない？」
「確かに！私たちが勝てるわけないじゃん！」
女子院生たちがこそこそと囁き合う。
暮「おい、そこ！何か文句があるのか。」
「ひっ！あ、ありません。」
暮「本当か？まあいい。実際の戦闘では、ただ、強いか、弱いかということだけで勝負がつく。女だからどうとか、そんなことは許されない。……そうだよなぁ、神影。」
暮街は、自分のお気に入りである亜莉亜に同意を求めた。
『……はい』
多少焦りつつも、亜莉亜は暮街の期待どおりの返事を返した。
いつもこうだ。と、亜莉亜は思う。
暮街は何かと、亜莉亜に同意を求めてくる。
お気に入りと言うと聞こえは良いが、実際のところ軽い虐めだと思っている。
そんなことを亜莉亜が考えているうちに、暮街は対戦順が書かれた紙を、院生たちの前に張り出した。
暮「今回はトーナメント形式で試合をする。ちなみに、今回の試合は、護廷十三隊の隊長格が見にいらっしゃる事になっている。気を抜くなよ。では、第一試合を始める。」
暮街はそう言うと、早速試合を始め出した。
どうやら、女子対男子の試合らしく、修練場は盛り上がっている。
亜莉亜と姫香は、院生たちの間を縫って、対戦表を見に行った。

『あ、夜一に喜助…！ 』
対戦表の前には、それを見ながら話をしている夜一と喜助の姿があった。
夜「おぉ、亜莉亜か。良いところに来たの。」
ちょっとこれを見てみろ、と対戦表を指差す夜一。
『これがどうかしたの？』
夜「この表でいくと、最後はわしら同士の試合になるかもしれん。特に、お主と喜助じゃ。」
『えっ…』