第十四話 ー編入試験ー
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藤「ほう…」
亜莉亜と吉田の試合を見ていた藤山は、深いため息をついた。
落胆の意ではなく、感嘆の意の。
吉「次はお嬢ちゃんか。君には少々手加減しようかと思っていたが、青年の戦いを見る限りそんなものは必要なさそうだ。本気でいかせてもらおう。」
吉田は敗北の顔つきを一変させると、厳しい目を瑚絽音に向けた。
だが、不意にその視線を亜莉亜が遮った。
『吉田さん、こいつには木刀でお願いします。』
瑚「え?」
『少しでも怪我、させたくないので。』
亜莉亜がそう言うと、吉田はすぐに頷いた。
吉「ああ。気付かなくてすまなかった。嬢ちゃんに傷跡を残す訳にはいかないもんな。」
『よろしくお願いします。』
亜莉亜は吉田に会釈をすると、瑚絽音にすれ違いざまに告げた。
『奴は弱い。だが、気は抜くな。』
瑚絽音がしっかりと頷いたのを見届けて、亜莉亜は邪魔にならないところに腰を下ろした。
吉「準備は良いか。」
瑚「はいなのです。」
瑚絽音が返事をして木刀をしっかりと構えると、藤山がまた、手を垂直にのばした。
藤「…」
厳かにその手が下ろされ、先程の試合を教訓にか、吉田がすぐに前に出た。
向かってくる吉田を、冷静に待ち受ける瑚絽音。
カンッ!!
吉田の振り下ろした木刀が、軽くあしらわれた。
吉「まだだ!」
吉田はすぐに体を切り返し、次の斬撃を瑚絽音に浴びせる。
瑚絽音は木刀の描く道筋を見極めると、力いっぱい飛び上がった。
瑚「いただきなのです!!」
にっこりと微笑む瑚絽音。
それに対し、呆然と口を開ける吉田。
瑚絽音は吉田の振るう木刀を踏み台に高く飛び上がると、亜莉亜譲りの特製かかと落としを吉田に浴びせた。
ダァァン!!
修練場の冷たい床に叩きつけられた吉田は、完全に気を失ったようで、少しも動く気配が無かった。
藤「…勝負あり。」
藤山がそう言ったと同時に、瑚絽音はガッツポーズを決めた。
瑚「やったのです!!」
『おつかれ、瑚絽音。』
静かな足取りで亜莉亜は瑚絽音に近寄り、その桃色の頭を撫でると、藤山と目を合わせた。
『合否は。』
藤「…合格だ。諸君らを、謹んで歴史ある霊術院の生徒に迎えよう。名を申せ。」
藤山の言葉に、亜莉亜は口当てで隠された唇に綺麗な弧を描いた。
『牙条刹羅です。』
瑚「九河原瑚絽音と申しますです。」
藤「刹羅、瑚絽音、立派な死神になるべく努力を絶やさぬよう。」
藤山はそう言って目を細めると、二人に背を向けた。
亜莉亜と吉田の試合を見ていた藤山は、深いため息をついた。
落胆の意ではなく、感嘆の意の。
吉「次はお嬢ちゃんか。君には少々手加減しようかと思っていたが、青年の戦いを見る限りそんなものは必要なさそうだ。本気でいかせてもらおう。」
吉田は敗北の顔つきを一変させると、厳しい目を瑚絽音に向けた。
だが、不意にその視線を亜莉亜が遮った。
『吉田さん、こいつには木刀でお願いします。』
瑚「え?」
『少しでも怪我、させたくないので。』
亜莉亜がそう言うと、吉田はすぐに頷いた。
吉「ああ。気付かなくてすまなかった。嬢ちゃんに傷跡を残す訳にはいかないもんな。」
『よろしくお願いします。』
亜莉亜は吉田に会釈をすると、瑚絽音にすれ違いざまに告げた。
『奴は弱い。だが、気は抜くな。』
瑚絽音がしっかりと頷いたのを見届けて、亜莉亜は邪魔にならないところに腰を下ろした。
吉「準備は良いか。」
瑚「はいなのです。」
瑚絽音が返事をして木刀をしっかりと構えると、藤山がまた、手を垂直にのばした。
藤「…」
厳かにその手が下ろされ、先程の試合を教訓にか、吉田がすぐに前に出た。
向かってくる吉田を、冷静に待ち受ける瑚絽音。
カンッ!!
吉田の振り下ろした木刀が、軽くあしらわれた。
吉「まだだ!」
吉田はすぐに体を切り返し、次の斬撃を瑚絽音に浴びせる。
瑚絽音は木刀の描く道筋を見極めると、力いっぱい飛び上がった。
瑚「いただきなのです!!」
にっこりと微笑む瑚絽音。
それに対し、呆然と口を開ける吉田。
瑚絽音は吉田の振るう木刀を踏み台に高く飛び上がると、亜莉亜譲りの特製かかと落としを吉田に浴びせた。
ダァァン!!
修練場の冷たい床に叩きつけられた吉田は、完全に気を失ったようで、少しも動く気配が無かった。
藤「…勝負あり。」
藤山がそう言ったと同時に、瑚絽音はガッツポーズを決めた。
瑚「やったのです!!」
『おつかれ、瑚絽音。』
静かな足取りで亜莉亜は瑚絽音に近寄り、その桃色の頭を撫でると、藤山と目を合わせた。
『合否は。』
藤「…合格だ。諸君らを、謹んで歴史ある霊術院の生徒に迎えよう。名を申せ。」
藤山の言葉に、亜莉亜は口当てで隠された唇に綺麗な弧を描いた。
『牙条刹羅です。』
瑚「九河原瑚絽音と申しますです。」
藤「刹羅、瑚絽音、立派な死神になるべく努力を絶やさぬよう。」
藤山はそう言って目を細めると、二人に背を向けた。