第十四話 ー編入試験ー
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『体術と剣術…なら、当然相手が用意されるはずだよな。フフッ楽しみだ。』
一応は卒業生である亜莉亜の案内で辿り着いた修練場で、亜莉亜はそこらに積み上げている木刀を手にとっては眺め、院生たちの鍛錬の具合をチェックしていた。
ガラガラガラ…
ふと、修練場の引き戸が開き、先程の職員と、実質霊術院の責任者であろう老父、そして実技試験担当らしい若い男性がぞろぞろと入ってきた。
亜莉亜はそれをちらりと横目で見ると、手に持っていた木刀を元の場所に戻し、瑚絽音の横に立った。
「ただいまから、編入希望者に対する実技試験を行う。」
無音の修練場に、老父の声が響き渡った。
「まず、わしはこの霊術院の管理を一任されている、藤山だ。そして、諸君らの実技試験の担当が、この吉田である。」
藤山――というらしい老父が、若い男性――吉田の背を軽く押した。
吉「早速だが、試験を始める。試験は、模擬試合形式だ。試合の中でお前たちの技量を見て、編入にふさわしい実力を持っていれば実技試験を合格とする。…何か質問は。」
『はい。』
亜莉亜は落ち着いた様子で吉田と目を合わせた。
吉「何だ、長髪の青年。」
半分馬鹿にしたように聞こえなくもない口調だったが、亜莉亜は聞かなかったことにして質問を続けた。
『もし、この実技試験で…失礼ですが、吉田さんを倒すことができた場合、筆記試験は無しになりますか。』
率直かつ無謀と思われる言葉に、辺りの空気は凍りついた。
吉「…青年、君は若い。まだ世の中を知らなすぎる。この世には、君よりも強い者がそれこそ山のようにいるんだ。簡単に年長者を馬鹿にしてもらっては困るよ。まぁ、俺にもそんな時期があったもんだ。なに、恥じることはない。これからもっと強くなればいいだけの話さ。」
吉田はそう言うと、豪快に笑った。
何が年長者だ。馬鹿にするなよ、若造が。
亜莉亜は心の奥底でそう言った。
『質問に答えてください。』
亜莉亜は少しも表情を変えずに言った。
吉「ははっ…良いだろう。俺を倒すほどの実力があると思っているなら、好きにしろ。しかし、後悔しても知らないぞ。」
『結構です。ではお願いします。』
亜莉亜はそう言って一礼…しかけて、ふと顔を上げた。
『あと一つ、質問してもいいですか。』
吉「何だ?言ってみろ。」
挑発的に吉田が答える。
亜莉亜は大真面目な顔で言った。
『試合は、木刀でですか。それとも真剣でですか。』
吉「は?」
『好きな方でいいですか?』
吉「あ、あぁ。」
どうせ怪我する確率の少ない木刀を選ぶだろう。
という吉田の考えは、亜莉亜に通用するはずもなく。
『じゃ、俺は真剣でお願いします。』
サラリと言ってのけると、亜莉亜は帯刀に手をかけ、何の戸惑いもなくそれを引き出した。
真っ白な刃が吉田を威圧する。
吉「お、おいおい…怪我しても知らないぞ?」
吉田は作り笑いを浮かべながらも、持っていた刀に手をかけた。
『開始の合図をお願いします。』
そう言えば、藤山が真剣を構える亜莉亜と吉田の間に立った。
一応は卒業生である亜莉亜の案内で辿り着いた修練場で、亜莉亜はそこらに積み上げている木刀を手にとっては眺め、院生たちの鍛錬の具合をチェックしていた。
ガラガラガラ…
ふと、修練場の引き戸が開き、先程の職員と、実質霊術院の責任者であろう老父、そして実技試験担当らしい若い男性がぞろぞろと入ってきた。
亜莉亜はそれをちらりと横目で見ると、手に持っていた木刀を元の場所に戻し、瑚絽音の横に立った。
「ただいまから、編入希望者に対する実技試験を行う。」
無音の修練場に、老父の声が響き渡った。
「まず、わしはこの霊術院の管理を一任されている、藤山だ。そして、諸君らの実技試験の担当が、この吉田である。」
藤山――というらしい老父が、若い男性――吉田の背を軽く押した。
吉「早速だが、試験を始める。試験は、模擬試合形式だ。試合の中でお前たちの技量を見て、編入にふさわしい実力を持っていれば実技試験を合格とする。…何か質問は。」
『はい。』
亜莉亜は落ち着いた様子で吉田と目を合わせた。
吉「何だ、長髪の青年。」
半分馬鹿にしたように聞こえなくもない口調だったが、亜莉亜は聞かなかったことにして質問を続けた。
『もし、この実技試験で…失礼ですが、吉田さんを倒すことができた場合、筆記試験は無しになりますか。』
率直かつ無謀と思われる言葉に、辺りの空気は凍りついた。
吉「…青年、君は若い。まだ世の中を知らなすぎる。この世には、君よりも強い者がそれこそ山のようにいるんだ。簡単に年長者を馬鹿にしてもらっては困るよ。まぁ、俺にもそんな時期があったもんだ。なに、恥じることはない。これからもっと強くなればいいだけの話さ。」
吉田はそう言うと、豪快に笑った。
何が年長者だ。馬鹿にするなよ、若造が。
亜莉亜は心の奥底でそう言った。
『質問に答えてください。』
亜莉亜は少しも表情を変えずに言った。
吉「ははっ…良いだろう。俺を倒すほどの実力があると思っているなら、好きにしろ。しかし、後悔しても知らないぞ。」
『結構です。ではお願いします。』
亜莉亜はそう言って一礼…しかけて、ふと顔を上げた。
『あと一つ、質問してもいいですか。』
吉「何だ?言ってみろ。」
挑発的に吉田が答える。
亜莉亜は大真面目な顔で言った。
『試合は、木刀でですか。それとも真剣でですか。』
吉「は?」
『好きな方でいいですか?』
吉「あ、あぁ。」
どうせ怪我する確率の少ない木刀を選ぶだろう。
という吉田の考えは、亜莉亜に通用するはずもなく。
『じゃ、俺は真剣でお願いします。』
サラリと言ってのけると、亜莉亜は帯刀に手をかけ、何の戸惑いもなくそれを引き出した。
真っ白な刃が吉田を威圧する。
吉「お、おいおい…怪我しても知らないぞ?」
吉田は作り笑いを浮かべながらも、持っていた刀に手をかけた。
『開始の合図をお願いします。』
そう言えば、藤山が真剣を構える亜莉亜と吉田の間に立った。