第十四話 ー編入試験ー
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『あの…』
何一つ日頃と変わらない平凡な真央霊術院に、とんでもない嵐の予感が訪れた。
『あのー?』
霊術院の事務室で半ば眠りかけている中年の職員に根気強く声をかけるのは、黒髪の青年…を装った亜莉亜である。
『あのー!!』
「……はっ!!」
亜莉亜が職員の耳元で叫ぶと、やっと職員は目を開け、来訪者の姿を捉えた。
「えーと、私に何か用かね?あまり見ない顔だが。ここの生徒じゃないな?…いやいや、私は居眠りなどしておらんよ?」
『大丈夫です。他言はしません。』
場を取り繕おうと躍起になっている職員にそう声をかけてやれば、職員はあからさまに安心していた。
「で、何の用かね?新年度の入学の申し込みなら、そこに書類があるだろう?」
『編入したいんですが。』
「だから、そこに書類が…は?お前さん、今、何て?」
『編入、したいのですが。』
はっきりと言い切った亜莉亜。
辺りはしばらくの間沈黙に包まれた。
「へ、編入…?」
『はい。』
真面目な顔で答えた亜莉亜。
しかし…
「ぷっ…ぶははははっ!!お前さん、頭は大丈夫かね?そんな細っこい体で、しかも、そこのか弱そうな嬢ちゃんと一緒に編入試験を受けるつもりかね!!」
職員は目に涙を溜めながら爆笑している。
亜莉亜はその光景に、はっきりと眉根を寄せた。
瑚「編入試験がどうかしたのですか…?」
不思議そうに首をかしげながら、瑚絽音は小声で亜莉亜に尋ねる。
亜莉亜は瑚絽音の耳元に唇を寄せた。
『だいたいは、馬鹿みたいに体が頑丈で、霊圧が高くて、頭が良すぎるアホが受けるんだ。もちろん、そんな条件はどこにもない。斬挙走鬼全てが優れていれば問題ない。ただ、少し通常の入学試験よりかは難易度が上がるがな。』
瑚「そうなのですか…。凄い試験なのですね。」
瑚絽音はそう言って、心配そうに目を伏せた。
『あんまり期待するな。たいしたことないぞ。』
瑚絽音の暗い空気をよそに、亜莉亜は平然と教員に向き直った。
『笑いたければ好きなだけ笑っていたただいて構いませんが、早く編入試験を受けさせてください。前置きは結構ですから。』
礼儀正しく言っている亜莉亜だが、瑚絽音から見たその表情はどす黒いことこの上なかった。
そのオーラは教員も感じたようで、教員はプツリと笑うのをやめた。
「…じゃ、早速試験に移ろう。まずは体術と剣術を見るから、修練場に来なさい。担当の者を連れてくるから。」
職員はそう言うと、足早に去っていった。
『名前も出身も控えない、か。随分軽く見られたもんだな。』
亜莉亜は職員の背に、聞こえないように小さく呟いた。
何一つ日頃と変わらない平凡な真央霊術院に、とんでもない嵐の予感が訪れた。
『あのー?』
霊術院の事務室で半ば眠りかけている中年の職員に根気強く声をかけるのは、黒髪の青年…を装った亜莉亜である。
『あのー!!』
「……はっ!!」
亜莉亜が職員の耳元で叫ぶと、やっと職員は目を開け、来訪者の姿を捉えた。
「えーと、私に何か用かね?あまり見ない顔だが。ここの生徒じゃないな?…いやいや、私は居眠りなどしておらんよ?」
『大丈夫です。他言はしません。』
場を取り繕おうと躍起になっている職員にそう声をかけてやれば、職員はあからさまに安心していた。
「で、何の用かね?新年度の入学の申し込みなら、そこに書類があるだろう?」
『編入したいんですが。』
「だから、そこに書類が…は?お前さん、今、何て?」
『編入、したいのですが。』
はっきりと言い切った亜莉亜。
辺りはしばらくの間沈黙に包まれた。
「へ、編入…?」
『はい。』
真面目な顔で答えた亜莉亜。
しかし…
「ぷっ…ぶははははっ!!お前さん、頭は大丈夫かね?そんな細っこい体で、しかも、そこのか弱そうな嬢ちゃんと一緒に編入試験を受けるつもりかね!!」
職員は目に涙を溜めながら爆笑している。
亜莉亜はその光景に、はっきりと眉根を寄せた。
瑚「編入試験がどうかしたのですか…?」
不思議そうに首をかしげながら、瑚絽音は小声で亜莉亜に尋ねる。
亜莉亜は瑚絽音の耳元に唇を寄せた。
『だいたいは、馬鹿みたいに体が頑丈で、霊圧が高くて、頭が良すぎるアホが受けるんだ。もちろん、そんな条件はどこにもない。斬挙走鬼全てが優れていれば問題ない。ただ、少し通常の入学試験よりかは難易度が上がるがな。』
瑚「そうなのですか…。凄い試験なのですね。」
瑚絽音はそう言って、心配そうに目を伏せた。
『あんまり期待するな。たいしたことないぞ。』
瑚絽音の暗い空気をよそに、亜莉亜は平然と教員に向き直った。
『笑いたければ好きなだけ笑っていたただいて構いませんが、早く編入試験を受けさせてください。前置きは結構ですから。』
礼儀正しく言っている亜莉亜だが、瑚絽音から見たその表情はどす黒いことこの上なかった。
そのオーラは教員も感じたようで、教員はプツリと笑うのをやめた。
「…じゃ、早速試験に移ろう。まずは体術と剣術を見るから、修練場に来なさい。担当の者を連れてくるから。」
職員はそう言うと、足早に去っていった。
『名前も出身も控えない、か。随分軽く見られたもんだな。』
亜莉亜は職員の背に、聞こえないように小さく呟いた。