第十三話 ー衝突ー
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死神殺害の事件を調査していた筈の副隊長がいる。
さっき隊舎を出た筈なのに、何故かいる。
私の目の前で…何で脱力してるんですか?
杏樹は拓斗に冷たい視線を向けた。
杏「副隊長…事件の調査はどうでしたか?」
流石に直球でサボりを確かめるのは気が引けるので、遠まわしに訊いてみる。
拓「んー…別行動してる。」
拓斗は椅子の背もたれに体をだらしなく預けた体勢のまま答える。
杏「じゃあ、今は何をしているんですか?」
拓「考えてる…」
杏「何をですか?」
拓「何か…何だろうね。」
無気力すぎる上官に、杏樹の眉間に皺がよる。
杏「副隊長、いい加減にしてください!隊長がいない今、この隊を統率するのは副隊長の仕事なんですよ!?副隊長がそんなにだらしないと…」
拓「ごめんね。」
杏「へ…?」
感情的に叫んでいた杏樹は、拓斗の思いがけない言葉に自分の耳を疑った。
拓「…分かってるんだ、このままじゃいけないこと。」
悲痛な声で話す拓斗に、杏樹は言葉を失った。
杏「副隊長…」
拓「分かってはいるのにね、何も分からないんだ。俺に何ができるか、俺がすべき事は何か、俺にあるものは何か。俺に…尸魂界を護る決意があるのかさえも。――元々、俺は尸魂界を、魂魄を護ろうとして力を求めたわけじゃない。俺にそんなに立派な意思なんて、さっぱり無かった。俺はただ、亜莉亜を護りたかった。彼女が護りたいものを一緒に護りたかっただけだったんだ。彼女が大切にする瀞霊廷を、瀞霊廷が護ろうとしている尸魂界を…。だけど、今ここに亜莉亜はいない。俺の護りたい彼女はいない。こんな事を言うと怒られちゃうかもしれないけど、正直、瀞霊廷を護りたいとか…あんまり思わないんだよね。彼女のいない瀞霊廷に、俺は執着しようと思わない。」
拓斗はそこまで言うと、黙っている杏樹に顔を向けた。
拓「杏樹、君はどう思ってる?君は、自分自身の意思でここを護りたいと思ってる…?君を保護し、君に戦い方を教え、君を育てたのは亜莉亜だ。」
さっき隊舎を出た筈なのに、何故かいる。
私の目の前で…何で脱力してるんですか?
杏樹は拓斗に冷たい視線を向けた。
杏「副隊長…事件の調査はどうでしたか?」
流石に直球でサボりを確かめるのは気が引けるので、遠まわしに訊いてみる。
拓「んー…別行動してる。」
拓斗は椅子の背もたれに体をだらしなく預けた体勢のまま答える。
杏「じゃあ、今は何をしているんですか?」
拓「考えてる…」
杏「何をですか?」
拓「何か…何だろうね。」
無気力すぎる上官に、杏樹の眉間に皺がよる。
杏「副隊長、いい加減にしてください!隊長がいない今、この隊を統率するのは副隊長の仕事なんですよ!?副隊長がそんなにだらしないと…」
拓「ごめんね。」
杏「へ…?」
感情的に叫んでいた杏樹は、拓斗の思いがけない言葉に自分の耳を疑った。
拓「…分かってるんだ、このままじゃいけないこと。」
悲痛な声で話す拓斗に、杏樹は言葉を失った。
杏「副隊長…」
拓「分かってはいるのにね、何も分からないんだ。俺に何ができるか、俺がすべき事は何か、俺にあるものは何か。俺に…尸魂界を護る決意があるのかさえも。――元々、俺は尸魂界を、魂魄を護ろうとして力を求めたわけじゃない。俺にそんなに立派な意思なんて、さっぱり無かった。俺はただ、亜莉亜を護りたかった。彼女が護りたいものを一緒に護りたかっただけだったんだ。彼女が大切にする瀞霊廷を、瀞霊廷が護ろうとしている尸魂界を…。だけど、今ここに亜莉亜はいない。俺の護りたい彼女はいない。こんな事を言うと怒られちゃうかもしれないけど、正直、瀞霊廷を護りたいとか…あんまり思わないんだよね。彼女のいない瀞霊廷に、俺は執着しようと思わない。」
拓斗はそこまで言うと、黙っている杏樹に顔を向けた。
拓「杏樹、君はどう思ってる?君は、自分自身の意思でここを護りたいと思ってる…?君を保護し、君に戦い方を教え、君を育てたのは亜莉亜だ。」