ボワンッ！
突如舞い上がった白煙に、瑚絽音はビクリと体を震わせた。
やがて煙は徐々に晴れて…
夜「ひっさしぶりじゃのう、亜莉亜！」
はつらつとした表情の夜一が現れた。
『相変わらず元気そうで良かった。夜一。』
夜一を見上げながらそう返す亜莉亜。
『だがな…』
亜莉亜は眉をハの字に寄せた。
『いい加減、服を着ることを覚えろ。』
夜「何じゃ？今更わしの裸を見るのが恥ずかしいか？亜莉亜も意外とうぶだったんじゃのぅ！」
面白がって亜莉亜の肩をバシバシと叩く夜一に、亜莉亜は深いため息をついた。
喜「違いますよ、夜一サン。困っているのはそちらのお嬢さん、でしょう？」
お盆を抱えた喜助が、瑚絽音に目を向けた。
瑚絽音は顔を真っ赤にして俯いている。
夜「おぉ…また、新しい顔じゃの。お主、名は？」
夜一が瑚絽音の顔を覗きこんだ。
だが…
『頼むから、まず服を着てきてくれ。』
亜莉亜が瑚絽音の目を手で覆ったことにより、瑚絽音はこれ以上赤くならずに済んだ。

喜「はい、お茶っス。」
そう言いながら、それぞれの前に喜助がお茶の入った湯飲みを置く。
『ありがとう。』
喜「いえ。…それで、今日は一体どのようなご用件で。向こうでは大変な事になってるそうじゃないですか。」
『まぁな。』
亜莉亜は肩をすくめると、目の前のお茶に口をつけた。
夜「ま、こうやって無事に会えたことを感謝するべきじゃろう。のう、亜莉亜。」
『そう…だな。』
亜莉亜は表情を弛めた。
瑚「あの…それで、お二人は亜莉亜のお知り合いなのですか？」
夜「古くからの付き合いじゃ。…わしは四楓院夜一。そろでこっちが」
喜「ちょっと影のあるハンサムエロ店主こと、浦原喜助っス。宜しくお願いしますね。」
瑚「あっ、私は、九河原瑚絽音と申しますです！宜しくお願いしますなのです！」
瑚絽音は慌てて自己紹介をした。