第九話 ー白ー
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十分に戦った…?
いや、私はまだ何もできていない。
許してくれ…?
違う。そんなもの背負って戦ってきたわけじゃない。
死なせて…?
そんなこと思ってない。
私は、
『生きたい。まだ生きたい。そして、あいつらに会いたい…!』
「…」
『生きて、本当は、護りたい。何も、失いたくない…ッ!』
「そう。」
亜莉亜の声を静かに聞いていた女は、口角を上げた。
「残念だけど、闇鬼はまだ出れないわ。」
『そう…だよな。』
「でも、あんたに過去を捨てる覚悟があるのなら…」
『…』
「あたしが新しい力、貸してあげようか?」
『!?…お前、今、何て…』
突然の言葉に亜莉亜は驚きを隠せない。
「あたしは元々あんたの力よ。あんたが生まれたそのときから、ずっとここに存在してる。ただ、あんたがあたしに気づかなかっただけなのよ。あんたは闇鬼しか見ていなかったから。…あんたさえあたしを見てくれれば、あたしを受け入れてくれれば、あたしはあんたの力になれる。さぁ、どうするよ?あんたに、その覚悟はある?」
亜莉亜はゆっくりと目を閉じた。
一呼吸おいてから、真っ青な瞳が女を捉えた。
『私は、お前を受け入れる。だから、私に力を貸してくれ。』
「ふっ…了ー解っ」
気がつくと、女は消え、亜莉亜の手に気品ある白い刀が握られていた。
『闇鬼の黒とは正反対だな。』
《そうよ。でもあたしは、白には足りないものがあると思うの。何か分かる?》
頭の中に直接声が響く。
『さぁな。』
《それは、赤よ。赤があることで白はより輝いて、白があることでまた赤が美しくなる。だから…たっぷり浴びさせてね?真っ赤な血。》
『分かったよ。しかし、随分変わった趣味なんだな。血を浴びたいだなんて。』
《余計なお世話よ。さぁ、さっさと行きなさい!》
『はいはい。』
亜莉亜は苦笑した。
《…今、この世界には何もない。ここに色をつけていくのはあんた自身よ。もう過去ばっかり見ちゃだめ。あんたが見なければいけないのは未来よ。》
『あぁ。』
亜莉亜の意識が大きく揺らいだ。
亜莉亜は右手に握られた斬魄刀を確認してから、全身の力を抜き、目を閉じた。
耳元を抜ける風の音が少し静かになった気がした。
刹那。
谷底へと落ちていた亜莉亜の姿が消えた。
亜莉亜は目を開けた。
瑚「亜莉亜?どうかしたのですか?」
『…いや、別に。』
瑚「何だか、楽しそうなのです。」
『そうか?』
亜莉亜はそう言って微笑んだ。
『さぁ、これからどうするか、話でもしようじゃないか。』
挑発的な声で亜莉亜は言った。
その瞳に、迷いや恐れの色は少しもなかった。
いや、私はまだ何もできていない。
許してくれ…?
違う。そんなもの背負って戦ってきたわけじゃない。
死なせて…?
そんなこと思ってない。
私は、
『生きたい。まだ生きたい。そして、あいつらに会いたい…!』
「…」
『生きて、本当は、護りたい。何も、失いたくない…ッ!』
「そう。」
亜莉亜の声を静かに聞いていた女は、口角を上げた。
「残念だけど、闇鬼はまだ出れないわ。」
『そう…だよな。』
「でも、あんたに過去を捨てる覚悟があるのなら…」
『…』
「あたしが新しい力、貸してあげようか?」
『!?…お前、今、何て…』
突然の言葉に亜莉亜は驚きを隠せない。
「あたしは元々あんたの力よ。あんたが生まれたそのときから、ずっとここに存在してる。ただ、あんたがあたしに気づかなかっただけなのよ。あんたは闇鬼しか見ていなかったから。…あんたさえあたしを見てくれれば、あたしを受け入れてくれれば、あたしはあんたの力になれる。さぁ、どうするよ?あんたに、その覚悟はある?」
亜莉亜はゆっくりと目を閉じた。
一呼吸おいてから、真っ青な瞳が女を捉えた。
『私は、お前を受け入れる。だから、私に力を貸してくれ。』
「ふっ…了ー解っ」
気がつくと、女は消え、亜莉亜の手に気品ある白い刀が握られていた。
『闇鬼の黒とは正反対だな。』
《そうよ。でもあたしは、白には足りないものがあると思うの。何か分かる?》
頭の中に直接声が響く。
『さぁな。』
《それは、赤よ。赤があることで白はより輝いて、白があることでまた赤が美しくなる。だから…たっぷり浴びさせてね?真っ赤な血。》
『分かったよ。しかし、随分変わった趣味なんだな。血を浴びたいだなんて。』
《余計なお世話よ。さぁ、さっさと行きなさい!》
『はいはい。』
亜莉亜は苦笑した。
《…今、この世界には何もない。ここに色をつけていくのはあんた自身よ。もう過去ばっかり見ちゃだめ。あんたが見なければいけないのは未来よ。》
『あぁ。』
亜莉亜の意識が大きく揺らいだ。
亜莉亜は右手に握られた斬魄刀を確認してから、全身の力を抜き、目を閉じた。
耳元を抜ける風の音が少し静かになった気がした。
刹那。
谷底へと落ちていた亜莉亜の姿が消えた。
亜莉亜は目を開けた。
瑚「亜莉亜?どうかしたのですか?」
『…いや、別に。』
瑚「何だか、楽しそうなのです。」
『そうか?』
亜莉亜はそう言って微笑んだ。
『さぁ、これからどうするか、話でもしようじゃないか。』
挑発的な声で亜莉亜は言った。
その瞳に、迷いや恐れの色は少しもなかった。