第九話 ー白ー
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『貴様に指図される筋合いは無いが。……サヨナラ、破面。』
亜莉亜はナスティーの首元目掛けて、刀を降り下ろした。
ナ「いや、――の末裔。」
『!』
ザンッ!
刹那、鮮血が散った。
じわじわと広がる赤の中、亜莉亜はただ呆然と立ち尽くしていた。
『おい、瞬。』
瑚「瞬くんっ!」
瞬を囲み二人が声をかけると、瞬はうっすらと目を開けた。
瞬「あれ…?」
瞬は見慣れない風景に首をかしげ、そして瑚絽音を見た。瑚「瞬くん…本当に無事で、無事で良かったのです…!」
瑚絽音は瞬をぎゅっと抱き締めた。
瞬「ね、ねぇちゃん…苦しいよぅ…」
瞬の声に瑚絽音は驚いて瞬を開放し、決まり悪そうに謝った。
亜莉亜はその光景に、穏やかに微笑んだ。
三人がいるのは、薄暗い廃墟の中である。
少々気味悪く埃っぽいが、瑚絽音は負傷、瞬は気絶、ましてや亜莉亜は手配中の身。
とにかく身を隠し、休められる場所が必要だった。
『…瑚絽音、瞬を。』
亜莉亜がそう言うと、瑚絽音はそっと瞬の前から離れた。
亜莉亜は瞬の近くに屈み、怪我がないか確認し始めた。
『…外傷は特に無いみたいだな。しかし――』
亜莉亜は辛そうに目を細めた。
瑚「亜莉亜?」
『何しろ、まだ歳が歳だ。内面の傷が心配なところだな。』
亜莉亜はそう言うと、瞬の頭をそっと撫でた。
瞬は終始、きょとんとした表情で亜莉亜を見つめていた。
瑚「…そう、なのですか。」
『あぁ…。』
気まずい空気が三人の間を流れる。
それを気にした瑚絽音が、場に不釣り合いな明るい声で尋ねた。
瑚「そ、そういえば、亜莉亜の力、戻ったのですね!」
『あ、あぁ。…一時期は、どうなることかと思ったんだが…な。』
亜莉亜は綺麗な白い刀に目をやり、苦笑した。
…あの時は本当に、生きることを、約束を守ることを諦めかけていた。
そんな私を闇から引きずり出してくれたのが、こいつだった。
そう、あのとき――
亜莉亜は静かに目を閉じた。
亜莉亜はナスティーの首元目掛けて、刀を降り下ろした。
ナ「いや、――の末裔。」
『!』
ザンッ!
刹那、鮮血が散った。
じわじわと広がる赤の中、亜莉亜はただ呆然と立ち尽くしていた。
『おい、瞬。』
瑚「瞬くんっ!」
瞬を囲み二人が声をかけると、瞬はうっすらと目を開けた。
瞬「あれ…?」
瞬は見慣れない風景に首をかしげ、そして瑚絽音を見た。瑚「瞬くん…本当に無事で、無事で良かったのです…!」
瑚絽音は瞬をぎゅっと抱き締めた。
瞬「ね、ねぇちゃん…苦しいよぅ…」
瞬の声に瑚絽音は驚いて瞬を開放し、決まり悪そうに謝った。
亜莉亜はその光景に、穏やかに微笑んだ。
三人がいるのは、薄暗い廃墟の中である。
少々気味悪く埃っぽいが、瑚絽音は負傷、瞬は気絶、ましてや亜莉亜は手配中の身。
とにかく身を隠し、休められる場所が必要だった。
『…瑚絽音、瞬を。』
亜莉亜がそう言うと、瑚絽音はそっと瞬の前から離れた。
亜莉亜は瞬の近くに屈み、怪我がないか確認し始めた。
『…外傷は特に無いみたいだな。しかし――』
亜莉亜は辛そうに目を細めた。
瑚「亜莉亜?」
『何しろ、まだ歳が歳だ。内面の傷が心配なところだな。』
亜莉亜はそう言うと、瞬の頭をそっと撫でた。
瞬は終始、きょとんとした表情で亜莉亜を見つめていた。
瑚「…そう、なのですか。」
『あぁ…。』
気まずい空気が三人の間を流れる。
それを気にした瑚絽音が、場に不釣り合いな明るい声で尋ねた。
瑚「そ、そういえば、亜莉亜の力、戻ったのですね!」
『あ、あぁ。…一時期は、どうなることかと思ったんだが…な。』
亜莉亜は綺麗な白い刀に目をやり、苦笑した。
…あの時は本当に、生きることを、約束を守ることを諦めかけていた。
そんな私を闇から引きずり出してくれたのが、こいつだった。
そう、あのとき――
亜莉亜は静かに目を閉じた。