第七話 ー巨大虚ー
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「…亜莉亜?」
ふいに名前を呼ばれて振り向くと、そこには傘をさし一人立っている瑚絽音の姿があった。
『どうした、瑚絽音。』
亜莉亜は瑚絽音に声をかける。
瑚「亜莉亜、晩御飯できたのです。」
にっこりと微笑む瑚絽音。
亜莉亜は驚いて辺りを見回した。
『…あ』
…なるほど、確かに暗くなっている。
一日中厚い雲が空を覆っていたので、日が沈んだ事に気づかなかったのだろう。
『分かった。帰ろう。』
亜莉亜は闇鬼を地面から抜き取ると、一振りして汚れを落とし、鞘にしまった。
『…瞬は?』
足を進めながら、横を歩く瑚絽音に尋ねる。
瑚「お留守番してもらってるです。外に出ると濡れて風邪ひいちゃうですから。」
『そうか、なら早く帰らなきゃな。』
瑚「はいなのです!」
瑚絽音は元気良く返事をした。
『なぁ、そういえば…』
亜莉亜がそう言いかけたその時、どこからか物音が聞こえた。
なにか大きなものを潰すようかな、そんな音。
亜莉亜の顔は一瞬で引き締まった。
瑚「今の…お家の方から聞こえたです!」
青ざめた瑚絽音が言う。
『急ぐぞ!』
亜莉亜は瑚絽音の手を取ると、瞬の無事を祈りながら全力で走った。
二人の道を塞ぐものはなく、亜莉亜には草花や木々が自分達に道を開けているようにも感じられた。
これは何かを暗示しているのだろうか…。
先を走っていた亜莉亜の足がピタリと止まり、前に出て様子を伺おうとした瑚絽音は亜莉亜自身の手により引き戻される。
亜莉亜は冷たい目をして、自分の前に広がる悲惨な景色を見ていた。
――跡形もなく破壊され破片の山となった家、雨の中堂々と立っている巨大な影、鋭い爪の中に握られぐったりとしている…瞬の姿。
ふいに名前を呼ばれて振り向くと、そこには傘をさし一人立っている瑚絽音の姿があった。
『どうした、瑚絽音。』
亜莉亜は瑚絽音に声をかける。
瑚「亜莉亜、晩御飯できたのです。」
にっこりと微笑む瑚絽音。
亜莉亜は驚いて辺りを見回した。
『…あ』
…なるほど、確かに暗くなっている。
一日中厚い雲が空を覆っていたので、日が沈んだ事に気づかなかったのだろう。
『分かった。帰ろう。』
亜莉亜は闇鬼を地面から抜き取ると、一振りして汚れを落とし、鞘にしまった。
『…瞬は?』
足を進めながら、横を歩く瑚絽音に尋ねる。
瑚「お留守番してもらってるです。外に出ると濡れて風邪ひいちゃうですから。」
『そうか、なら早く帰らなきゃな。』
瑚「はいなのです!」
瑚絽音は元気良く返事をした。
『なぁ、そういえば…』
亜莉亜がそう言いかけたその時、どこからか物音が聞こえた。
なにか大きなものを潰すようかな、そんな音。
亜莉亜の顔は一瞬で引き締まった。
瑚「今の…お家の方から聞こえたです!」
青ざめた瑚絽音が言う。
『急ぐぞ!』
亜莉亜は瑚絽音の手を取ると、瞬の無事を祈りながら全力で走った。
二人の道を塞ぐものはなく、亜莉亜には草花や木々が自分達に道を開けているようにも感じられた。
これは何かを暗示しているのだろうか…。
先を走っていた亜莉亜の足がピタリと止まり、前に出て様子を伺おうとした瑚絽音は亜莉亜自身の手により引き戻される。
亜莉亜は冷たい目をして、自分の前に広がる悲惨な景色を見ていた。
――跡形もなく破壊され破片の山となった家、雨の中堂々と立っている巨大な影、鋭い爪の中に握られぐったりとしている…瞬の姿。