第五話 ー決心ー
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瞬「消えた!」
『違うぞ、瞬。これは――』
瞬歩。
だけど、私にはさっぱり見えなかった。
消えたようにしか見えなかった。
それは霊圧を失った証拠で…護るための力を失った証。
『…いや、何でもない。瞬、帰るぞ。瑚絽音が待ってる。』
瞬「…わかった。」
私は瞬の手を引き、逃げるようにその場を離れた。
瑚「あ、瞬くんと亜莉亜なのです。お帰りなさいです!」
笑顔で迎えてくれた瑚絽音。
私は"ただいま"も言わず真っ先に聞いた。
『瑚絽音、闇鬼はどこだ。』
瑚「…一体何をする気ですか。」
『もう一度、握りたいんだ。』
私がそう言うと、瑚絽音は表情を強ばらせた。
きっと、前に私が闇鬼を握ったときのことを思い出したのだろう。
あのときは酷く拒絶されて、指先を痛めてしまったから。
瑚「…また怪我しちゃうのですよ?」
『それでも構わない。』
はっきりと言い放った私に、瑚絽音は観念したようだった。
瑚「――はい、どうぞです。」
瑚絽音は押し入れの中から、丁寧に紙で包んだ闇鬼を取りだした。
私が触って怪我をしないよう、隠してあったらしい。
『ありがとう。』
私はそれをためらいなく受け取った。
バチッ!
私の手から、数滴の朱が床に落ちた。
瑚「亜莉亜!」
『来るな!こうでもしなきゃ…私は少しも前に進めないんだッ!!』
瑚「…っ」
私は闇鬼を膝の上に乗せ、対話を試みた。
『闇鬼…』
聞こえているか?闇鬼。
お願いだから、返事をしてくれ。
闇鬼…
闇鬼…
闇鬼…!!!
いくら心の中に叫んでも、返ってくるのは空しい静寂ばかりで。
『…駄目だ。』
私は闇鬼を膝の上からそっと下ろした。
一旦闇鬼を手放してみると、手のひらに刻まれた新しい傷が無性に傷んだ。
つい最近までこの刀を片手に戦場を駆け回っていたのに…
闇鬼、何故そこまで私を拒絶する。
抵抗があるということは、お前自身はまだ生きているんだろう?
『違うぞ、瞬。これは――』
瞬歩。
だけど、私にはさっぱり見えなかった。
消えたようにしか見えなかった。
それは霊圧を失った証拠で…護るための力を失った証。
『…いや、何でもない。瞬、帰るぞ。瑚絽音が待ってる。』
瞬「…わかった。」
私は瞬の手を引き、逃げるようにその場を離れた。
瑚「あ、瞬くんと亜莉亜なのです。お帰りなさいです!」
笑顔で迎えてくれた瑚絽音。
私は"ただいま"も言わず真っ先に聞いた。
『瑚絽音、闇鬼はどこだ。』
瑚「…一体何をする気ですか。」
『もう一度、握りたいんだ。』
私がそう言うと、瑚絽音は表情を強ばらせた。
きっと、前に私が闇鬼を握ったときのことを思い出したのだろう。
あのときは酷く拒絶されて、指先を痛めてしまったから。
瑚「…また怪我しちゃうのですよ?」
『それでも構わない。』
はっきりと言い放った私に、瑚絽音は観念したようだった。
瑚「――はい、どうぞです。」
瑚絽音は押し入れの中から、丁寧に紙で包んだ闇鬼を取りだした。
私が触って怪我をしないよう、隠してあったらしい。
『ありがとう。』
私はそれをためらいなく受け取った。
バチッ!
私の手から、数滴の朱が床に落ちた。
瑚「亜莉亜!」
『来るな!こうでもしなきゃ…私は少しも前に進めないんだッ!!』
瑚「…っ」
私は闇鬼を膝の上に乗せ、対話を試みた。
『闇鬼…』
聞こえているか?闇鬼。
お願いだから、返事をしてくれ。
闇鬼…
闇鬼…
闇鬼…!!!
いくら心の中に叫んでも、返ってくるのは空しい静寂ばかりで。
『…駄目だ。』
私は闇鬼を膝の上からそっと下ろした。
一旦闇鬼を手放してみると、手のひらに刻まれた新しい傷が無性に傷んだ。
つい最近までこの刀を片手に戦場を駆け回っていたのに…
闇鬼、何故そこまで私を拒絶する。
抵抗があるということは、お前自身はまだ生きているんだろう?