第二話 ー喪失ー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゆっくりと視界が開ける。
ぼんやりとしたその中に、くすんだ木の板が見えた。
あれ…私、いつの間に気を失ったんだ?
森の中を進んでいたはずだ。
霊王の手から必死に逃げて、けれど捕まりそうになって。
もう駄目だと、そう思った瞬間、プツリと映像が途切れた。
あれは…夢、だったのか?
そもそも、ここは何処だ?
とりあえず、状況を確認しなくては。
私は起き上がるため、体に力を入れた。
ズキッ――
『いッ…』
掠れた小さな悲鳴。
鋭い痛みが全身を貫き、怪我の事を思い出す。
幸いにも致命傷が無かったためこうしていられるが…もしそんな傷を負っていたら、私は今ごろ衰弱死していたかもしれない。
仕方なく体から力を抜き、私は再び布団に体をゆだねた。
あれ…布団?
はっとして、私は唯一痛みの少ない自分の腕を上げてみた。
『これは…』
見知らぬ着物の袖が目に入る。
よく見てみると、至るところについた傷にはしっかりと包帯が巻かれている。
誰かが手当てをしてくれたというのか?
しかし、一体誰が?
…そんなことを考えていると、ふと人の気配を感じた。
「あっ!起きたですか?」
可愛らしい少女の声。
私は声の主を視界に入れようと、無意識に体を動かそうとしてしまう。
「まだ動いちゃ駄目なのです!」
少女が私に駆け寄り、私の肩をそっと押し、私を寝かした。
少女は桃色の髪を二つに結び、透き通った茶色の瞳を持っていた。
『お前が、私を助けたのか…?』
「はいですっ!森の中で倒れているのを見つけたのです!」
『そうか。礼を言う…。』
私は静かに目を伏せる。
「当然の事なのです!だから、お礼はいらないのです。」
そう言って少女は微笑んだ。
『そうか。…名を、聞いても良いだろうか。』
いくら少女とはいえ、命の恩人だ。
すぐに別れがくると分かっていても、名前くらい聞いておきたかった。
ぼんやりとしたその中に、くすんだ木の板が見えた。
あれ…私、いつの間に気を失ったんだ?
森の中を進んでいたはずだ。
霊王の手から必死に逃げて、けれど捕まりそうになって。
もう駄目だと、そう思った瞬間、プツリと映像が途切れた。
あれは…夢、だったのか?
そもそも、ここは何処だ?
とりあえず、状況を確認しなくては。
私は起き上がるため、体に力を入れた。
ズキッ――
『いッ…』
掠れた小さな悲鳴。
鋭い痛みが全身を貫き、怪我の事を思い出す。
幸いにも致命傷が無かったためこうしていられるが…もしそんな傷を負っていたら、私は今ごろ衰弱死していたかもしれない。
仕方なく体から力を抜き、私は再び布団に体をゆだねた。
あれ…布団?
はっとして、私は唯一痛みの少ない自分の腕を上げてみた。
『これは…』
見知らぬ着物の袖が目に入る。
よく見てみると、至るところについた傷にはしっかりと包帯が巻かれている。
誰かが手当てをしてくれたというのか?
しかし、一体誰が?
…そんなことを考えていると、ふと人の気配を感じた。
「あっ!起きたですか?」
可愛らしい少女の声。
私は声の主を視界に入れようと、無意識に体を動かそうとしてしまう。
「まだ動いちゃ駄目なのです!」
少女が私に駆け寄り、私の肩をそっと押し、私を寝かした。
少女は桃色の髪を二つに結び、透き通った茶色の瞳を持っていた。
『お前が、私を助けたのか…?』
「はいですっ!森の中で倒れているのを見つけたのです!」
『そうか。礼を言う…。』
私は静かに目を伏せる。
「当然の事なのです!だから、お礼はいらないのです。」
そう言って少女は微笑んだ。
『そうか。…名を、聞いても良いだろうか。』
いくら少女とはいえ、命の恩人だ。
すぐに別れがくると分かっていても、名前くらい聞いておきたかった。