第二十三話 ー安堵ー
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少しぼうっとしていた拓斗は、卯ノ花に声をかけられ、ぱっと顔を上げた。
卯「応急処置は終わりました。──とはいえ、あれだけのことをして、体にどれほどの負担がかかっているか分かりません。しばらく入院してもらって、治療と検査をゆっくり進めていくことになるでしょう。」
拓「宜しくお願いします……」
不安と心配が隠しきれない拓斗の表情に、卯ノ花は眉を下げる。
卯「我々がしっかり看ていますから、あなたも一度休んでください。治ったとはいえ、相当な傷でしたから、疲労が残っているはずですよ」
拓「えっ!いや、俺は」
亜莉亜に付き添いたいと主張するが、卯ノ花は首を振る。
卯「休んでください、ね?」
背後に黒いものが見える気がした。
仕方なく拓斗は引き下がる。
俯いたその視界に、見慣れぬピンク色が飛びはねていた。
瑚「私っ!私が、亜莉亜に付き添いますですぅ!」
拓「えぇ、誰ぇ……?」
思わず、情けない声。
またよく分からないのが出てきた。
やはり疲れているのか、もう頭が回らない。
瑚「そっちこそ誰なのです?私は、ええと、亜莉亜の弟子みたいなものです!」
弟子という言葉に、風兎が肩を跳ねさせた。
風「お嬢の弟子!と、いうことは俺の孫弟子ってことか!? おぉう宜しくな、孫弟子よ!」
拓斗は頭を抱えた。
師匠に弟子に孫弟子に。
こんなにぽんぽん出てくるもの?
拓「あー、もういいや。名前は?」
瑚「九河原瑚絽音と申しますです!亜莉亜のことは、私がちゃんとお世話するのでお任せください!」
胸を張って自信満々な瑚絽音。
拓斗は回らない頭で、もう何も考えられないが、その素直そうな様子に、危険な人物ではないと結論付けた。
拓「……分かった、頼むよ。俺は我妻拓斗。少し休んだら様子見に行くから、どうか宜しく」
瑚「もちろんなのです!」
瑚絽音が亜莉亜の元へと向かい、卯ノ花が案内する。
風兎はその様子をしばらく見ていたが、俺もお嬢のとこへ、と着いて行った。
残された拓斗は深くため息をつく。
気付けば身体が鉛のようで、立っているのもしんどい。
休憩を取ろうと、ふらりと歩を進めれば、誰かに肩を組まれた。
驚いて視線を上げ、あまりの目まぐるしさにすっかり忘れていたことを思い出す。
龍「フラッフラじゃねーの。仕方ないから肩貸してやるよ、副隊長様。高くつくけど」
拓「龍」
支えてもらっている反対側の腕にも、何かが触れる。
杏「私だって、ちゃんといますよ」
拓「杏樹」
龍「あっ、三席はただでさえフラフラなんだから、大人しくしてろよ」
杏「うるさいわね、ちょっとくらいなら平気よ」
龍「また強がってる〜!気色悪い顔してんだから休んでろよ」
杏「きっ……気色悪い!?はぁ?顔色良くないのは知ってるけど、何なのよその言い方!この馬鹿!」
龍「はぁ〜!?馬鹿って何だよ馬鹿って!三席知らないみたいだけど、馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!」
ヒートアップする二人の間で、拓斗は二人が思うままに揺さぶられるしかなかった。
どうか、俺を挟んで喧嘩するのは止めてほしい。
拓「分かった、分かったから……。とりあえず、隊舎に帰って休もう」
騒がしいけど、何だかほっとしてしまう。
これからのことは、これから考えたらいい。
ひとまずは皆が無事で、亜莉亜も戻って来た、その喜びを噛みしめよう。
拓「みんな、お疲れ様」
微笑めば、皆の安心した笑顔が身に染みた。
卯「応急処置は終わりました。──とはいえ、あれだけのことをして、体にどれほどの負担がかかっているか分かりません。しばらく入院してもらって、治療と検査をゆっくり進めていくことになるでしょう。」
拓「宜しくお願いします……」
不安と心配が隠しきれない拓斗の表情に、卯ノ花は眉を下げる。
卯「我々がしっかり看ていますから、あなたも一度休んでください。治ったとはいえ、相当な傷でしたから、疲労が残っているはずですよ」
拓「えっ!いや、俺は」
亜莉亜に付き添いたいと主張するが、卯ノ花は首を振る。
卯「休んでください、ね?」
背後に黒いものが見える気がした。
仕方なく拓斗は引き下がる。
俯いたその視界に、見慣れぬピンク色が飛びはねていた。
瑚「私っ!私が、亜莉亜に付き添いますですぅ!」
拓「えぇ、誰ぇ……?」
思わず、情けない声。
またよく分からないのが出てきた。
やはり疲れているのか、もう頭が回らない。
瑚「そっちこそ誰なのです?私は、ええと、亜莉亜の弟子みたいなものです!」
弟子という言葉に、風兎が肩を跳ねさせた。
風「お嬢の弟子!と、いうことは俺の孫弟子ってことか!? おぉう宜しくな、孫弟子よ!」
拓斗は頭を抱えた。
師匠に弟子に孫弟子に。
こんなにぽんぽん出てくるもの?
拓「あー、もういいや。名前は?」
瑚「九河原瑚絽音と申しますです!亜莉亜のことは、私がちゃんとお世話するのでお任せください!」
胸を張って自信満々な瑚絽音。
拓斗は回らない頭で、もう何も考えられないが、その素直そうな様子に、危険な人物ではないと結論付けた。
拓「……分かった、頼むよ。俺は我妻拓斗。少し休んだら様子見に行くから、どうか宜しく」
瑚「もちろんなのです!」
瑚絽音が亜莉亜の元へと向かい、卯ノ花が案内する。
風兎はその様子をしばらく見ていたが、俺もお嬢のとこへ、と着いて行った。
残された拓斗は深くため息をつく。
気付けば身体が鉛のようで、立っているのもしんどい。
休憩を取ろうと、ふらりと歩を進めれば、誰かに肩を組まれた。
驚いて視線を上げ、あまりの目まぐるしさにすっかり忘れていたことを思い出す。
龍「フラッフラじゃねーの。仕方ないから肩貸してやるよ、副隊長様。高くつくけど」
拓「龍」
支えてもらっている反対側の腕にも、何かが触れる。
杏「私だって、ちゃんといますよ」
拓「杏樹」
龍「あっ、三席はただでさえフラフラなんだから、大人しくしてろよ」
杏「うるさいわね、ちょっとくらいなら平気よ」
龍「また強がってる〜!気色悪い顔してんだから休んでろよ」
杏「きっ……気色悪い!?はぁ?顔色良くないのは知ってるけど、何なのよその言い方!この馬鹿!」
龍「はぁ〜!?馬鹿って何だよ馬鹿って!三席知らないみたいだけど、馬鹿って言う奴が馬鹿なんだぜ!」
ヒートアップする二人の間で、拓斗は二人が思うままに揺さぶられるしかなかった。
どうか、俺を挟んで喧嘩するのは止めてほしい。
拓「分かった、分かったから……。とりあえず、隊舎に帰って休もう」
騒がしいけど、何だかほっとしてしまう。
これからのことは、これから考えたらいい。
ひとまずは皆が無事で、亜莉亜も戻って来た、その喜びを噛みしめよう。
拓「みんな、お疲れ様」
微笑めば、皆の安心した笑顔が身に染みた。