第二十二話 ー結末ー
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轟音が嘘のように収まり、まるで何も無かったかのように無音になる。
しかし亜莉亜は知っている。
荒れ狂う霊圧が消えた訳ではないことを。
全てが、卍解状態の闇鬼に収められただけだということを。
息を整えて純白の斬魄刀を構え、敵の襲撃に備える。
「死ね!」
飛び込むかのように偽者が攻撃を仕掛ける。
亜莉亜はそれを避け、受け止め、そして流し、懸命に応戦する。
『(速い──)』
少しずつではあるが確実に己の体に傷が増えていく。
卍解状態の闇鬼の能力は、能力の圧縮である。
つまりは、始解状態で開放していた霊圧、そして黒いもやの能力、その全てをたった一つの刀身に収め、更に霊圧を開放した状態で戦う、ということである。
闇鬼の話によれば、その圧縮状態でいて尚、動きは通常の数十倍軽くなるらしい。
それ故に、扱いの難しさはあるが──
しかし、まともに戦うのは、流石に不利か。
そう判断した亜莉亜は刀と刀がぶつかる反動を利用し、器用に宙を舞い、偽者と距離をとった。
「闇鬼を使えないお前なんて、逃げ惑うしかない低級死神と似たようなものだ。馬鹿らしい!みっともないな!」
偽者はふらふらと揺れ、笑う。
狂喜の滲むその表情は、自分と同じものだとは思いたくない。
『──馬鹿なのは貴様の方だ』
亜莉亜は肩を落とし、偽者を笑った。
『私の複製のくせに、その程度の考えしかできないのか』
「何……!?」
亜莉亜は純白の斬魄刀を少し持ち上げ、月明かりに照らした。
無垢な光が反射している。
『──おい、もうそろそろ見物は終わりにして、手を貸してくれないか』
その言葉と同時に、亜莉亜の意識は精神世界に引き込まれた。
『お望みの霊圧は存分に味わえたか?』
「そうね、悪くなかったわ」
白い空間の中、真っ白な着物を着た女が舌なめずりし、にこりと笑う。
『時間が無い。いいかげん、私に屈服しろ』
「こんなにも長く待たされて、素直にはいとは言いたくないのよ」
『外見てれば分かるだろ、お前の力が必要だ』
「確かに劣勢ねぇ」
切羽詰る亜莉亜とは対照的に、女は袖を振って遊んでいる。
余りに白く、まるでこのやり取りが嘘だったかのように溶けて消えてしまいそうだ。
『名を教えろ』
亜莉亜は圧をかけて女を見つめる。
「ふふっ、変なの」
くすりと笑う女に亜莉亜は眉をひそめた。
「──いいわ、名前、教えたげる。好きに使えばいいじゃない。もう、退屈させないでよね?」
女の声がどんどん遠くなって、意識が途切れていく。
──今代の主は楽しませてくれるかしら?
女が呟いた言葉は、亜莉亜には聞こえなかった。
亜莉亜は斬魄刀の名を唇で呟き、小さく微笑む。
『ありがとう、使わせてもらう。お前は私の力だ──』
目を開けば、偽者の亜莉亜が闇鬼を片手に向かってきている。
亜莉亜は、ためらい無く純白の斬魄刀を月光に掲げる。
『 裁け 白刑 (ハクギョウ) 』
しかし亜莉亜は知っている。
荒れ狂う霊圧が消えた訳ではないことを。
全てが、卍解状態の闇鬼に収められただけだということを。
息を整えて純白の斬魄刀を構え、敵の襲撃に備える。
「死ね!」
飛び込むかのように偽者が攻撃を仕掛ける。
亜莉亜はそれを避け、受け止め、そして流し、懸命に応戦する。
『(速い──)』
少しずつではあるが確実に己の体に傷が増えていく。
卍解状態の闇鬼の能力は、能力の圧縮である。
つまりは、始解状態で開放していた霊圧、そして黒いもやの能力、その全てをたった一つの刀身に収め、更に霊圧を開放した状態で戦う、ということである。
闇鬼の話によれば、その圧縮状態でいて尚、動きは通常の数十倍軽くなるらしい。
それ故に、扱いの難しさはあるが──
しかし、まともに戦うのは、流石に不利か。
そう判断した亜莉亜は刀と刀がぶつかる反動を利用し、器用に宙を舞い、偽者と距離をとった。
「闇鬼を使えないお前なんて、逃げ惑うしかない低級死神と似たようなものだ。馬鹿らしい!みっともないな!」
偽者はふらふらと揺れ、笑う。
狂喜の滲むその表情は、自分と同じものだとは思いたくない。
『──馬鹿なのは貴様の方だ』
亜莉亜は肩を落とし、偽者を笑った。
『私の複製のくせに、その程度の考えしかできないのか』
「何……!?」
亜莉亜は純白の斬魄刀を少し持ち上げ、月明かりに照らした。
無垢な光が反射している。
『──おい、もうそろそろ見物は終わりにして、手を貸してくれないか』
その言葉と同時に、亜莉亜の意識は精神世界に引き込まれた。
『お望みの霊圧は存分に味わえたか?』
「そうね、悪くなかったわ」
白い空間の中、真っ白な着物を着た女が舌なめずりし、にこりと笑う。
『時間が無い。いいかげん、私に屈服しろ』
「こんなにも長く待たされて、素直にはいとは言いたくないのよ」
『外見てれば分かるだろ、お前の力が必要だ』
「確かに劣勢ねぇ」
切羽詰る亜莉亜とは対照的に、女は袖を振って遊んでいる。
余りに白く、まるでこのやり取りが嘘だったかのように溶けて消えてしまいそうだ。
『名を教えろ』
亜莉亜は圧をかけて女を見つめる。
「ふふっ、変なの」
くすりと笑う女に亜莉亜は眉をひそめた。
「──いいわ、名前、教えたげる。好きに使えばいいじゃない。もう、退屈させないでよね?」
女の声がどんどん遠くなって、意識が途切れていく。
──今代の主は楽しませてくれるかしら?
女が呟いた言葉は、亜莉亜には聞こえなかった。
亜莉亜は斬魄刀の名を唇で呟き、小さく微笑む。
『ありがとう、使わせてもらう。お前は私の力だ──』
目を開けば、偽者の亜莉亜が闇鬼を片手に向かってきている。
亜莉亜は、ためらい無く純白の斬魄刀を月光に掲げる。
『 裁け 白刑 (ハクギョウ) 』