第十九話 ー最後の襲撃ー
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気がつけば、日が落ちて辺りは暗くなっていた。
ついに夜になってしまった──
月明かりに照らされた縁側で、拓斗は頭を抱えていた。
本当に、亜莉亜は俺を迎えに来るのだろうか。
迎えに来て、それで、何をするつもりなのか。
考えがまとまらなすぎて、頭が痛い。
拓「はぁ……」
深くため息をつきながら、鉛のように重たい身体を横たえる。
目の前には澄んだ星空が広がっていたが、心は休まりそうもなかった。
少し、眠ろうか。
眠れば、今までのことは全部悪い夢だって分かるんじゃないかな──
目が覚めたときには、きっと、亜莉亜がいて、いつもみたいにふわりと笑って、「こんな所で寝るなよ、風邪引くぞ」って言うんだ。
俺は「やだ、もう少し寝かせてよ」って駄々こねて、そしたら「駄目だ。明日も仕事はあるんだぞ。風邪引かれたって、書類減らしたりしないからな!」って……やっぱり亜莉亜は零番隊にいるんだ。
じゃあ、俺が好きな亜莉亜って、一体何なんだ。
笑っているときは勿論、怒っているとき、考えているとき、悲しんでいるとき、泣いているとき、楽しそうにしているとき、意地を張っているとき、悩んでいるとき……考えれば、きりがない。
亜莉亜が好きなものなら、一つ残さず護ってあげたくて、亜莉亜が嫌いなものなら、一つ残さず消してあげたい。例え、それが、誰かの命であったとしても。大勢の、命であったとしても──。
亜莉亜を笑顔にしてあげたい。
そのために、俺が出来ることは何でもする。
けれど──亜莉亜と共に王族に、死神に復讐することは、絶対に亜莉亜を幸せにするのだろうか。
小さい頃から見てきた彼女は、そんなことは決して望まなかったはずだ。それは、確かな筈なのだ。
裏切りが、彼女を壊してしまったのか?
だとしたら、俺は一体──
「キャァァァアア!!!」
はっとして起きる。
少し目を瞑るだけのつもりが、本当に眠ってしまっていたらしい。
甲高い悲鳴と共に、十数人分の霊圧が消える。
──決断しなければならないときが来たのだ
そう考える暇もなく、雷神を片手に屋敷を飛び出す。
いつもならすぐに消える”襲撃者”の霊圧は消えず、また何人かの死神の霊圧が消えた。
瀞霊廷全域で非常事態を知らせるベルが、耳が痛いほどに鳴っている。
夜だとはいえ、隊長格を含めた死神たちが向かうだろう。
そして、目にする。
闇に落ちた、亜莉亜の姿を。
彼らは何を思うのだろう。
”裏切り”を行った後悔を感じるのだろうか?
いや、彼らはそんなことは微塵も感じないだろう。
狂った一人の死神として、捕えるか、または殺すか。
そんな彼らに、亜莉亜が思っていたような価値があるのか?
ごうごうと耳元で風が鳴る。
俺は”その”姿を捉え、立ち止まる。
おぞましさを感じさせる黒いコートのフードから覗く青眼が、俺を見て、にやりと笑った。
ついに夜になってしまった──
月明かりに照らされた縁側で、拓斗は頭を抱えていた。
本当に、亜莉亜は俺を迎えに来るのだろうか。
迎えに来て、それで、何をするつもりなのか。
考えがまとまらなすぎて、頭が痛い。
拓「はぁ……」
深くため息をつきながら、鉛のように重たい身体を横たえる。
目の前には澄んだ星空が広がっていたが、心は休まりそうもなかった。
少し、眠ろうか。
眠れば、今までのことは全部悪い夢だって分かるんじゃないかな──
目が覚めたときには、きっと、亜莉亜がいて、いつもみたいにふわりと笑って、「こんな所で寝るなよ、風邪引くぞ」って言うんだ。
俺は「やだ、もう少し寝かせてよ」って駄々こねて、そしたら「駄目だ。明日も仕事はあるんだぞ。風邪引かれたって、書類減らしたりしないからな!」って……やっぱり亜莉亜は零番隊にいるんだ。
じゃあ、俺が好きな亜莉亜って、一体何なんだ。
笑っているときは勿論、怒っているとき、考えているとき、悲しんでいるとき、泣いているとき、楽しそうにしているとき、意地を張っているとき、悩んでいるとき……考えれば、きりがない。
亜莉亜が好きなものなら、一つ残さず護ってあげたくて、亜莉亜が嫌いなものなら、一つ残さず消してあげたい。例え、それが、誰かの命であったとしても。大勢の、命であったとしても──。
亜莉亜を笑顔にしてあげたい。
そのために、俺が出来ることは何でもする。
けれど──亜莉亜と共に王族に、死神に復讐することは、絶対に亜莉亜を幸せにするのだろうか。
小さい頃から見てきた彼女は、そんなことは決して望まなかったはずだ。それは、確かな筈なのだ。
裏切りが、彼女を壊してしまったのか?
だとしたら、俺は一体──
「キャァァァアア!!!」
はっとして起きる。
少し目を瞑るだけのつもりが、本当に眠ってしまっていたらしい。
甲高い悲鳴と共に、十数人分の霊圧が消える。
──決断しなければならないときが来たのだ
そう考える暇もなく、雷神を片手に屋敷を飛び出す。
いつもならすぐに消える”襲撃者”の霊圧は消えず、また何人かの死神の霊圧が消えた。
瀞霊廷全域で非常事態を知らせるベルが、耳が痛いほどに鳴っている。
夜だとはいえ、隊長格を含めた死神たちが向かうだろう。
そして、目にする。
闇に落ちた、亜莉亜の姿を。
彼らは何を思うのだろう。
”裏切り”を行った後悔を感じるのだろうか?
いや、彼らはそんなことは微塵も感じないだろう。
狂った一人の死神として、捕えるか、または殺すか。
そんな彼らに、亜莉亜が思っていたような価値があるのか?
ごうごうと耳元で風が鳴る。
俺は”その”姿を捉え、立ち止まる。
おぞましさを感じさせる黒いコートのフードから覗く青眼が、俺を見て、にやりと笑った。