第十九話 ー最後の襲撃ー
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七「そうですか。では、行きますか?」
『あっ、少し待ってください。瑚絽音を連れていきたいのですが、いいですか?』
刹羅はそう言って、京楽に目配せする。
京「僕は構わないけど。」
『ありがとうございます。じゃあ、瑚絽音を呼んで来ます。』
刹羅はすぐそこだった、八番隊隊舎に入っていった。
『瑚絽……』
「うわぁぁああ!刹羅君!?」
一歩入れば、隊舎中の視線が刹羅に集まる。
『ど、どうかしたんですか?』
「どうかした、じゃなくて、怪我は?もう大丈夫なの!?」
どよめきに包まれながら、近くの女性隊員に声をかけられた。
その途端、辺りはしんと静まった。
刹羅の答えに注目しているらしい。
『あぁ、それなら大丈夫です。ただの、かすり傷だったので……』
「本当に?すぐに他の人から隔離されてたから、もしかしたら危ないんじゃないかって、皆で話してたんだよ。」
他の隊士たちがうんうんと頷く。
すると、こんな声がどこからか上がった。
「でも、例の敵を追い返しちまうなんて、刹羅は本当に凄いな!」
「やっぱり将来は隊長格ね!」
わいわいと元気そうな隊士たちを見て、刹羅はほっと息をつく。
心配するほどでもなかったらしい──流石京楽の隊だ。
なら、すべき事は一つだ。
『あの、瑚絽音はどこですか?少し用事があるんですが……』
「瑚絽音ちゃんなら、今は外に出てるよ。書類配達だから、しばらくは帰ってこないかも……。」
『そう、ですか。──じゃあ、帰ってきたら大霊書回廊に来るように、伝えてもらえますか。』
隊士たちが頷くのを確認して、刹羅はすぐに隊舎から出た。
七「話は終わりましたか?私も暇ではないので、なるべく早く終わらせたいのですが……」
『すみません。瑚絽音については伝言を残してきたので、大丈夫です。行きましょう。』
刹羅の言葉に、七緒は静かに歩き出す。
その後に続こうとする刹羅だったが、一つ大切なことに気がついた。
『あの、伊勢副隊長。』
七「何ですか。」
『京楽隊長は、どちらに……?』
七「あっ!……仕方ありませんね、放っておきましょう。」
七緒はがっくりと肩を落とした。
大霊書回廊は、中央四十六室の地下議事堂内に存在する施設だ。
つまり、普通の人間が簡単に出入りしていいはずの無い場所である。
だが、今、私と伊勢は堂々と大霊書回廊に入っている。
京楽が根回ししてくれたのだろうが……八番隊はあまりにも慣れすぎている。そう思うのは可笑しいのだろうか?
七「着きましたが。」
冷静な七緒の声に、はっと我に帰る。
言わなければならない。
刹羅は小さく深呼吸し、周りに人がいないのを入念に確認してから、口を開いた。
『黒雷乃雅について、そして黒雷家について、少しでも関連のある資料を集めて頂けますか。』
七「黒雷乃雅についての調査は、完了したとの報告を上の方から聞いていますが……?」
上とは、おそらく王族の事だろう。
それが、怪しいのだ。
何か、重要なことが抜けているようでならない。
『もう一度、調べたいんです。お願いします。』
亜莉亜は頭を下げた。
七「……分かりました。では、私が資料を探して来ますので、牙条君はそこで待っていて下さい。すれ違うと困りますから。」
『すみません、宜しくお願いします。』
七緒が背の高い本棚の影に隠れるのを横目に、刹羅は指示された席につく。
七緒が山のような資料を持ってくるまで、それほど長くはかからなかったのは言うまでもない。
『あっ、少し待ってください。瑚絽音を連れていきたいのですが、いいですか?』
刹羅はそう言って、京楽に目配せする。
京「僕は構わないけど。」
『ありがとうございます。じゃあ、瑚絽音を呼んで来ます。』
刹羅はすぐそこだった、八番隊隊舎に入っていった。
『瑚絽……』
「うわぁぁああ!刹羅君!?」
一歩入れば、隊舎中の視線が刹羅に集まる。
『ど、どうかしたんですか?』
「どうかした、じゃなくて、怪我は?もう大丈夫なの!?」
どよめきに包まれながら、近くの女性隊員に声をかけられた。
その途端、辺りはしんと静まった。
刹羅の答えに注目しているらしい。
『あぁ、それなら大丈夫です。ただの、かすり傷だったので……』
「本当に?すぐに他の人から隔離されてたから、もしかしたら危ないんじゃないかって、皆で話してたんだよ。」
他の隊士たちがうんうんと頷く。
すると、こんな声がどこからか上がった。
「でも、例の敵を追い返しちまうなんて、刹羅は本当に凄いな!」
「やっぱり将来は隊長格ね!」
わいわいと元気そうな隊士たちを見て、刹羅はほっと息をつく。
心配するほどでもなかったらしい──流石京楽の隊だ。
なら、すべき事は一つだ。
『あの、瑚絽音はどこですか?少し用事があるんですが……』
「瑚絽音ちゃんなら、今は外に出てるよ。書類配達だから、しばらくは帰ってこないかも……。」
『そう、ですか。──じゃあ、帰ってきたら大霊書回廊に来るように、伝えてもらえますか。』
隊士たちが頷くのを確認して、刹羅はすぐに隊舎から出た。
七「話は終わりましたか?私も暇ではないので、なるべく早く終わらせたいのですが……」
『すみません。瑚絽音については伝言を残してきたので、大丈夫です。行きましょう。』
刹羅の言葉に、七緒は静かに歩き出す。
その後に続こうとする刹羅だったが、一つ大切なことに気がついた。
『あの、伊勢副隊長。』
七「何ですか。」
『京楽隊長は、どちらに……?』
七「あっ!……仕方ありませんね、放っておきましょう。」
七緒はがっくりと肩を落とした。
大霊書回廊は、中央四十六室の地下議事堂内に存在する施設だ。
つまり、普通の人間が簡単に出入りしていいはずの無い場所である。
だが、今、私と伊勢は堂々と大霊書回廊に入っている。
京楽が根回ししてくれたのだろうが……八番隊はあまりにも慣れすぎている。そう思うのは可笑しいのだろうか?
七「着きましたが。」
冷静な七緒の声に、はっと我に帰る。
言わなければならない。
刹羅は小さく深呼吸し、周りに人がいないのを入念に確認してから、口を開いた。
『黒雷乃雅について、そして黒雷家について、少しでも関連のある資料を集めて頂けますか。』
七「黒雷乃雅についての調査は、完了したとの報告を上の方から聞いていますが……?」
上とは、おそらく王族の事だろう。
それが、怪しいのだ。
何か、重要なことが抜けているようでならない。
『もう一度、調べたいんです。お願いします。』
亜莉亜は頭を下げた。
七「……分かりました。では、私が資料を探して来ますので、牙条君はそこで待っていて下さい。すれ違うと困りますから。」
『すみません、宜しくお願いします。』
七緒が背の高い本棚の影に隠れるのを横目に、刹羅は指示された席につく。
七緒が山のような資料を持ってくるまで、それほど長くはかからなかったのは言うまでもない。