第十九話 ー最後の襲撃ー
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綜合救護詰所を出て、見えたのは爽やかな朝焼けだった。
長く寝ていた気がしたが、実際入院していたのはたったの一晩だったようだ。
救護所の空気を吸った後だと、ますます外の空気が美味しく感じられる。
だから、少しだけ足を止めて、肩の力を抜いて、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
冷たい空気は肺に収まりきらず、頭のてっぺんから足先まで力をみなぎらせた。
よし、頑張ろう。
そんな気持ちでまた歩き出す──とは、ならなかった。
京「もういいかい?亜莉亜ちゃん。」
後ろから声がかけられる。
亜莉亜は少し不機嫌そうに背後に目をやる。
『……いつからそこに?』
京「亜莉亜ちゃんが救護所を出てきたところから。」
京楽はそう言うと、にこにこと笑いながら亜莉亜の横に並んだ。
『それなら早く言ってくれ!』
亜莉亜はぷいと顔をそらし、ずんずん進んでいく。
それにあわせて、京楽も歩き出す。
京「だって、亜莉亜ちゃんが何だか風流に浸ってるから、面白くってさ。」
それを聞いて、亜莉亜の顔は真っ赤になった。
『──ッ!』
京「あれ、恥ずかしがってる?亜莉亜ちゃんはやっぱり可愛いなぁ……小さいころと全く変わってな」
『五月蝿い!それと、その名前で私を呼ぶな。もうすぐ八番隊だ。』
そう、亜莉亜(と、京楽)は八番隊に向かっている。
亜莉亜の目的##は一旦瑚絽音と合流すること、そして襲撃を受けた面子の様子を見ること。
京楽の目的は、亜莉亜を八番隊まで送り届けること……だけで良いはずが無いことは、誰もが分かっているだろう事だ。
京「分かった、分かった。刹羅君って呼べばいいんだよね?」
『あぁ、そうだ。口が裂けても、"亜莉亜ちゃーん"とか言うなよ。』
京「おっ、僕のモノマネかい?嬉しいな、亜莉亜ちゃーん!」
その瞬間、亜莉亜の表情から、温かさが消えた。
『──七緒に言いつけてやる。』
京「ええ!?それは勘弁して……」
勘弁してよぉ。そう言う前に、京楽の背後に小さな影が現れた。
七「おはようございます、京楽隊長、牙条君。」
京「お、おはよー七緒ちゃん。」
『おはようございます、伊勢副隊長。』
京楽は顔を強張らせながら七緒に挨拶し、亜莉亜は完全に刹羅モードで挨拶を返す。
七緒はしばらく京楽を見て、ため息をつくと、視線を亜莉亜に向けた。
七「牙条君、傷は大丈夫ですか?隊では、酷い怪我だったと噂になっていますが……。」
『案外、ほんのかすり傷だったみたいで。問題ありません。』
七「それは良かったです。貴方があの場にいなければ、多くの命が失われていたかもしれませんから……貴方には感謝しかありません。」
七緒はそう言って、表情を和らげた。
確かに、昨晩の死者を出さずに済んだことは良かったが、根本的な問題はまだ解決できていないのだ。
さあ、一体どうやって敵を暴くか……そう考えながら、視界に入る、七緒。
『あっ!』
ひらめいた。調べ物をするのに、適任すぎるほどの人物がここにいるではないか。
京「刹羅君?」
『京楽隊長、お願いがあります。』
亜莉亜は、射抜くような目で京楽を見上げた。
『先程お話していた件について、伊勢副隊長にお手伝い頂きたいのですが。』
京「!……よし、君がそう言うなら。七緒ちゃん、やってくれるかい?」
七「お手伝い、ですか?申し訳ありませんが、私には八番隊の仕事が……」
京「それは、僕が……どうにか、するよ。」
歯切れの悪い京楽の言葉に七緒は眉を寄せるが、結局は首を縦に振った。
口では何かと言うが、根は京楽を尊敬しているからなのかもしれない。
七「それで、具体的には何を?」
『大霊書回廊で、少し調べ物を……。』
刹羅らしく、少しはにかんで答えれば、七緒は素直に頷いた。
長く寝ていた気がしたが、実際入院していたのはたったの一晩だったようだ。
救護所の空気を吸った後だと、ますます外の空気が美味しく感じられる。
だから、少しだけ足を止めて、肩の力を抜いて、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込む。
冷たい空気は肺に収まりきらず、頭のてっぺんから足先まで力をみなぎらせた。
よし、頑張ろう。
そんな気持ちでまた歩き出す──とは、ならなかった。
京「もういいかい?亜莉亜ちゃん。」
後ろから声がかけられる。
亜莉亜は少し不機嫌そうに背後に目をやる。
『……いつからそこに?』
京「亜莉亜ちゃんが救護所を出てきたところから。」
京楽はそう言うと、にこにこと笑いながら亜莉亜の横に並んだ。
『それなら早く言ってくれ!』
亜莉亜はぷいと顔をそらし、ずんずん進んでいく。
それにあわせて、京楽も歩き出す。
京「だって、亜莉亜ちゃんが何だか風流に浸ってるから、面白くってさ。」
それを聞いて、亜莉亜の顔は真っ赤になった。
『──ッ!』
京「あれ、恥ずかしがってる?亜莉亜ちゃんはやっぱり可愛いなぁ……小さいころと全く変わってな」
『五月蝿い!それと、その名前で私を呼ぶな。もうすぐ八番隊だ。』
そう、亜莉亜(と、京楽)は八番隊に向かっている。
亜莉亜の目的##は一旦瑚絽音と合流すること、そして襲撃を受けた面子の様子を見ること。
京楽の目的は、亜莉亜を八番隊まで送り届けること……だけで良いはずが無いことは、誰もが分かっているだろう事だ。
京「分かった、分かった。刹羅君って呼べばいいんだよね?」
『あぁ、そうだ。口が裂けても、"亜莉亜ちゃーん"とか言うなよ。』
京「おっ、僕のモノマネかい?嬉しいな、亜莉亜ちゃーん!」
その瞬間、亜莉亜の表情から、温かさが消えた。
『──七緒に言いつけてやる。』
京「ええ!?それは勘弁して……」
勘弁してよぉ。そう言う前に、京楽の背後に小さな影が現れた。
七「おはようございます、京楽隊長、牙条君。」
京「お、おはよー七緒ちゃん。」
『おはようございます、伊勢副隊長。』
京楽は顔を強張らせながら七緒に挨拶し、亜莉亜は完全に刹羅モードで挨拶を返す。
七緒はしばらく京楽を見て、ため息をつくと、視線を亜莉亜に向けた。
七「牙条君、傷は大丈夫ですか?隊では、酷い怪我だったと噂になっていますが……。」
『案外、ほんのかすり傷だったみたいで。問題ありません。』
七「それは良かったです。貴方があの場にいなければ、多くの命が失われていたかもしれませんから……貴方には感謝しかありません。」
七緒はそう言って、表情を和らげた。
確かに、昨晩の死者を出さずに済んだことは良かったが、根本的な問題はまだ解決できていないのだ。
さあ、一体どうやって敵を暴くか……そう考えながら、視界に入る、七緒。
『あっ!』
ひらめいた。調べ物をするのに、適任すぎるほどの人物がここにいるではないか。
京「刹羅君?」
『京楽隊長、お願いがあります。』
亜莉亜は、射抜くような目で京楽を見上げた。
『先程お話していた件について、伊勢副隊長にお手伝い頂きたいのですが。』
京「!……よし、君がそう言うなら。七緒ちゃん、やってくれるかい?」
七「お手伝い、ですか?申し訳ありませんが、私には八番隊の仕事が……」
京「それは、僕が……どうにか、するよ。」
歯切れの悪い京楽の言葉に七緒は眉を寄せるが、結局は首を縦に振った。
口では何かと言うが、根は京楽を尊敬しているからなのかもしれない。
七「それで、具体的には何を?」
『大霊書回廊で、少し調べ物を……。』
刹羅らしく、少しはにかんで答えれば、七緒は素直に頷いた。