第十九話 ー最後の襲撃ー
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『くッ……!』
うめき声と共に、亜莉亜の左腕から血が溢れた。
それと同時に、影の姿が明らかになる。
黒いコートに、白いお面──。
例の襲撃者か。
そう判断するよりも早く、亜莉亜は右手で斬魄刀を抜いていた。
亜莉亜の刀が襲撃者の二撃目を受け止める。
辺りに鋭い衝撃音が響き渡った。
『何!?』
──重い、一撃が……!
右手にしびれが走り、亜莉亜は舌打ちする。
こいつは只者じゃない。
『瑚絽音!』
瑚「響け、魔天笛ッ!」
既に刀を抜いていた瑚絽音が始解する。
瑚「行きますですっ!!」
瑚絽音が刀を一振りすれば、重い鐘の音のような、それでいて小鳥の囀りのような、不思議な衝撃が響き渡る。
黒コートが少しふらついたのを見逃さず、亜莉亜は一気に瞬歩で攻める。
振り上げた亜莉亜の刀が黒コートを引き裂く。
『もう一発……!』
体勢を崩した黒コートにとどめをさそうと、亜莉亜は刀を握る。
しかし、亜莉亜の刀が黒コートに届く寸前で、強い光がはじけた。
痛いほど辺りが真っ白になり、亜莉亜は刀を握っていた腕で目をかばう。
『…!待て、逃げるな──』
黒コートが視界から消えるのがちらりと見えて、亜莉亜は叫ぶ。
『倒さなきゃ…』
無意識にそう呟きながら──亜莉亜の意識は闇に沈んでいった。
ゆっくりと視界が開ける。
ぼやけていた白い何かが天井だと分かり、亜莉亜は苦笑する。
皮肉なことにも、見慣れた天井だった。
更に辺りを見回せば、やはりそこは亜莉亜の知る四番隊・綜合救護詰所だ。
『──ッ』
体を起こしてみる。
慣れ親しんだ空色の髪の毛がサラリと落ちる。
左腕がわずかに疼き、視線をそちらに移す。
綺麗に巻かれた包帯を見るところ、治療が施されたらしい。
そこまでして、ふと気付く。
空色の髪?
検査着?
口当ては…?
──ない……ない!
『やっちまった……』
どれだけ眠っていたのかは分からないが、もう十分広まっただろう。
私が瀞霊廷内に──四番隊に、いると。
つまり、もう自由には動けない。
王族に捕まるのを待つだけだ。
『はぁ……』
重たいため息が、ずしりと沈む。
そのとき、病室のドアが軽く叩かれた。
「入るよ」
『京ら……!』
京「おっと、あんまり大きな声を出すと、他の人に気付かれちゃうよ?」
『……』
亜莉亜ははっとして口をつぐむ。
──ん?
『他の人に気付かれるって今、言ったか?』
京楽が病室のドアを完全に閉めたのを確認して、亜莉亜が尋ねる。
京楽は亜莉亜を見てにこりと微笑むと、ベッドの横の丸椅子に腰掛けた。
京「卯ノ花隊長の配慮だよ。」
『あっ!』
卯ノ花の名前を聞いて、亜莉亜は全てを理解した。
京「君らが四番隊につれてこられて、君を見た卯ノ花隊長が、すぐに君を他の隊士たちから隔離したんだ。治療も全て卯ノ花隊長一人がね。──そういうことだけど、どうするつもりかな、亜莉亜ちゃん。君にも何か考えがあってここにいるんだろう?」
笠の下から覗く楽しそうな目。
その目のおかげで、亜莉亜の中に余裕ができる。
少しだけ考えてから、亜莉亜は口を開いた。
『まずは牙条刹羅として行動する。少しだけ、調べたいことがあるんだ。もし私の予想が正しければ──少し厄介なことになるかもしれないが。』
京「そう。──ちなみに、その調べたいことって?」
『それは言えない。まだ私の憶測だ。もし間違っていたら、無意味だけなら良いが、最悪余計な混乱を生む。……すまないが、そこは分かってくれ。』
京「君がそう言うなら、仕方ない。けど、もし何かあったら、僕に手伝わせて。いいね?」
京楽の言葉に亜莉亜は頷いた。
『ところでだが──』
京「ん?」
『もう退院していいんだよな?』
京楽の表情が固まった。
うめき声と共に、亜莉亜の左腕から血が溢れた。
それと同時に、影の姿が明らかになる。
黒いコートに、白いお面──。
例の襲撃者か。
そう判断するよりも早く、亜莉亜は右手で斬魄刀を抜いていた。
亜莉亜の刀が襲撃者の二撃目を受け止める。
辺りに鋭い衝撃音が響き渡った。
『何!?』
──重い、一撃が……!
右手にしびれが走り、亜莉亜は舌打ちする。
こいつは只者じゃない。
『瑚絽音!』
瑚「響け、魔天笛ッ!」
既に刀を抜いていた瑚絽音が始解する。
瑚「行きますですっ!!」
瑚絽音が刀を一振りすれば、重い鐘の音のような、それでいて小鳥の囀りのような、不思議な衝撃が響き渡る。
黒コートが少しふらついたのを見逃さず、亜莉亜は一気に瞬歩で攻める。
振り上げた亜莉亜の刀が黒コートを引き裂く。
『もう一発……!』
体勢を崩した黒コートにとどめをさそうと、亜莉亜は刀を握る。
しかし、亜莉亜の刀が黒コートに届く寸前で、強い光がはじけた。
痛いほど辺りが真っ白になり、亜莉亜は刀を握っていた腕で目をかばう。
『…!待て、逃げるな──』
黒コートが視界から消えるのがちらりと見えて、亜莉亜は叫ぶ。
『倒さなきゃ…』
無意識にそう呟きながら──亜莉亜の意識は闇に沈んでいった。
ゆっくりと視界が開ける。
ぼやけていた白い何かが天井だと分かり、亜莉亜は苦笑する。
皮肉なことにも、見慣れた天井だった。
更に辺りを見回せば、やはりそこは亜莉亜の知る四番隊・綜合救護詰所だ。
『──ッ』
体を起こしてみる。
慣れ親しんだ空色の髪の毛がサラリと落ちる。
左腕がわずかに疼き、視線をそちらに移す。
綺麗に巻かれた包帯を見るところ、治療が施されたらしい。
そこまでして、ふと気付く。
空色の髪?
検査着?
口当ては…?
──ない……ない!
『やっちまった……』
どれだけ眠っていたのかは分からないが、もう十分広まっただろう。
私が瀞霊廷内に──四番隊に、いると。
つまり、もう自由には動けない。
王族に捕まるのを待つだけだ。
『はぁ……』
重たいため息が、ずしりと沈む。
そのとき、病室のドアが軽く叩かれた。
「入るよ」
『京ら……!』
京「おっと、あんまり大きな声を出すと、他の人に気付かれちゃうよ?」
『……』
亜莉亜ははっとして口をつぐむ。
──ん?
『他の人に気付かれるって今、言ったか?』
京楽が病室のドアを完全に閉めたのを確認して、亜莉亜が尋ねる。
京楽は亜莉亜を見てにこりと微笑むと、ベッドの横の丸椅子に腰掛けた。
京「卯ノ花隊長の配慮だよ。」
『あっ!』
卯ノ花の名前を聞いて、亜莉亜は全てを理解した。
京「君らが四番隊につれてこられて、君を見た卯ノ花隊長が、すぐに君を他の隊士たちから隔離したんだ。治療も全て卯ノ花隊長一人がね。──そういうことだけど、どうするつもりかな、亜莉亜ちゃん。君にも何か考えがあってここにいるんだろう?」
笠の下から覗く楽しそうな目。
その目のおかげで、亜莉亜の中に余裕ができる。
少しだけ考えてから、亜莉亜は口を開いた。
『まずは牙条刹羅として行動する。少しだけ、調べたいことがあるんだ。もし私の予想が正しければ──少し厄介なことになるかもしれないが。』
京「そう。──ちなみに、その調べたいことって?」
『それは言えない。まだ私の憶測だ。もし間違っていたら、無意味だけなら良いが、最悪余計な混乱を生む。……すまないが、そこは分かってくれ。』
京「君がそう言うなら、仕方ない。けど、もし何かあったら、僕に手伝わせて。いいね?」
京楽の言葉に亜莉亜は頷いた。
『ところでだが──』
京「ん?」
『もう退院していいんだよな?』
京楽の表情が固まった。