第十九話 ー最後の襲撃ー
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新入隊員として紹介されたその晩。
簡単な歓迎会を終えた亜莉亜と瑚絽音は、八番隊隊士十数名と共に隊舎への帰り道を歩いていた。
勿論、歓迎会といえば飲み会となってしまうわけで。
顔を見せないために口当てをしている亜莉亜にとって歓迎会が地獄だったことは言うまでもない。
瑚「亜莉亜…大丈夫なのですか?」
隣を歩く瑚絽音が、抑えた声で尋ねる。
そんなに疲れた顔をしているのだろうか…などと思いながらも、亜莉亜は瑚絽音に笑顔を向ける。
『何ともない。お前こそ、酒なんか飲むのは初めてだっただろう?気分はどうだ?』
瑚「ちょっと酔っちゃったみたいなのです…。でも、ほとんど飲んでいるふりをしていたので、大丈夫なのです。」
いたずらっ子のように笑う瑚絽音を見て、亜莉亜は内心苦笑いした。
「二人で何話してるのー?仲間に入れてよー。」
先頭を歩いていた二人の間に、一人の隊士が割り込む。
千鳥足加減を見ると、かなり酔っているようだ。
それをきっかけに、他の隊士たちも二人に駆け寄る。
「刹羅君と瑚絽音ちゃんって仲良いよね!もしかして恋人!?」
一人が茶化すと、場が一気に騒がしくなった。
「ええっ!瑚絽音ちゃんは俺が貰おうと思ってたのに…!」
「何よ、誰も付き合ってるなんて言ってないじゃないの。」
「ね、実際のところはどうなの?付き合ってるの?違うの?」
隊士たちに詰め寄られ、刹羅は少し困惑ぎみに――内気なキャラを前面に出しながら、答える。
『そ、そんなんじゃないですよ……恋人っていうより、むしろ家族みたいな……そんな感じで……』
その言葉を聞いて、多くの隊士たちが安心したように肩を下ろす。
そんな様子を亜莉亜は優しげな目で見ていた。
ふと視線を上げる。
真っ暗になってしまった空に、ほとんど満月といえるような月が映えている。
うっすらと雲に隠され、見えなくなって、また見えるようになって。
それを眺めていると、肩の力が抜けてしまう。
こんな状況でも気持ちが緩んでしまうのは、私の未熟さからだろうか。
「明日の晩が満月らしいね。」
はっとして振り返ると、女性隊士がそう言って微笑んでいた。
『そう……なんですか。』
答えつつも、亜莉亜の視線は再び空に向けられる。
『……』
しばらくぼうっとしていると、ふいに袖が引っ張られた。
瑚「前に……誰かいるですか?」
瑚絽音を一瞥し、亜莉亜は前方に目を凝らす。
道は暗く、塀の陰にもなっているので月明かりが届かない。
しかし、うっすらと揺れる黒い影を確認することができた。
『誰かいるみたいだな。――それがどうかしたのか?』
確かに、こんな時間に一人で出歩くとは物騒だが。
亜莉亜は首をかしげた。
瑚「何だか……変なのです。」
『変…?』
亜莉亜はもう一度その影に集中する。
距離があるせいもあり、よく見えない。
しかし、一瞬だけ何かが光った。
それが何か分かるのに、時間はかからなかった。
簡単な歓迎会を終えた亜莉亜と瑚絽音は、八番隊隊士十数名と共に隊舎への帰り道を歩いていた。
勿論、歓迎会といえば飲み会となってしまうわけで。
顔を見せないために口当てをしている亜莉亜にとって歓迎会が地獄だったことは言うまでもない。
瑚「亜莉亜…大丈夫なのですか?」
隣を歩く瑚絽音が、抑えた声で尋ねる。
そんなに疲れた顔をしているのだろうか…などと思いながらも、亜莉亜は瑚絽音に笑顔を向ける。
『何ともない。お前こそ、酒なんか飲むのは初めてだっただろう?気分はどうだ?』
瑚「ちょっと酔っちゃったみたいなのです…。でも、ほとんど飲んでいるふりをしていたので、大丈夫なのです。」
いたずらっ子のように笑う瑚絽音を見て、亜莉亜は内心苦笑いした。
「二人で何話してるのー?仲間に入れてよー。」
先頭を歩いていた二人の間に、一人の隊士が割り込む。
千鳥足加減を見ると、かなり酔っているようだ。
それをきっかけに、他の隊士たちも二人に駆け寄る。
「刹羅君と瑚絽音ちゃんって仲良いよね!もしかして恋人!?」
一人が茶化すと、場が一気に騒がしくなった。
「ええっ!瑚絽音ちゃんは俺が貰おうと思ってたのに…!」
「何よ、誰も付き合ってるなんて言ってないじゃないの。」
「ね、実際のところはどうなの?付き合ってるの?違うの?」
隊士たちに詰め寄られ、刹羅は少し困惑ぎみに――内気なキャラを前面に出しながら、答える。
『そ、そんなんじゃないですよ……恋人っていうより、むしろ家族みたいな……そんな感じで……』
その言葉を聞いて、多くの隊士たちが安心したように肩を下ろす。
そんな様子を亜莉亜は優しげな目で見ていた。
ふと視線を上げる。
真っ暗になってしまった空に、ほとんど満月といえるような月が映えている。
うっすらと雲に隠され、見えなくなって、また見えるようになって。
それを眺めていると、肩の力が抜けてしまう。
こんな状況でも気持ちが緩んでしまうのは、私の未熟さからだろうか。
「明日の晩が満月らしいね。」
はっとして振り返ると、女性隊士がそう言って微笑んでいた。
『そう……なんですか。』
答えつつも、亜莉亜の視線は再び空に向けられる。
『……』
しばらくぼうっとしていると、ふいに袖が引っ張られた。
瑚「前に……誰かいるですか?」
瑚絽音を一瞥し、亜莉亜は前方に目を凝らす。
道は暗く、塀の陰にもなっているので月明かりが届かない。
しかし、うっすらと揺れる黒い影を確認することができた。
『誰かいるみたいだな。――それがどうかしたのか?』
確かに、こんな時間に一人で出歩くとは物騒だが。
亜莉亜は首をかしげた。
瑚「何だか……変なのです。」
『変…?』
亜莉亜はもう一度その影に集中する。
距離があるせいもあり、よく見えない。
しかし、一瞬だけ何かが光った。
それが何か分かるのに、時間はかからなかった。