第十八話 ー始動ー
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文「拓斗様ぁ!」
拓「君のね、そういうところが、暑苦しいんだけど。」
背を向けたままの拓斗がポロリと言い、文月は大きなショックを受ける。
文「な、なな、なんと…!拓斗様、文月は拓斗様をそのようなことを言う者に育てた覚えはございません!!」
拓「でも、実際こうなったんだから、仕方ないでしょ。」
拓斗の容赦ない言葉に、拓斗の背で文月が悶絶している。
拓斗は視線を落とすと、文月に聞こえないように呟いた。
拓「――そもそも、亜莉亜が例の犯人で…なんてことを悩んでるなんて言ったって、どうしようもないじゃん。」
文「拓斗様?」
ふと立ち上がった拓斗に、文月は顔を明るくする。
文「拓斗様、まさか、隊舎の方に向かわれるのでは…ッ!!」
拓「残念、場所を変えるだけだよ。」
拓斗が横目で文月を見る。
文「はぁ!?」
拓「こんなにうるさい場所じゃ、ろくに考え事もできないでしょうが。」
拓斗はそれだけ言うと、瞬歩でどこかに移動してしまった。
勿論、文月には拓斗の瞬歩は見えないわけで……
文「拓斗様ぁ、瞬歩は反則ですぞ……」
文月はがっくりと肩を落とした。
所変わって、ここは流魂街。
黒雷乃雅との戦いのために亜莉亜が修行していた、あの滝のふもと。
そこに拓斗は来ていた。
拓「亜莉亜……」
この前の言葉は本当なの?
君は本当に復讐を望んでいるの?
君は…どうして変わってしまったの?
拓「はぁ――」
本日何度目か分からないため息を吐き出し、拓斗は頭を抱えた。
人の声や物音が全く聞こえない代わりに、ただ滝を流れ落ちる水の音が聞こえる。
ふと浮かぶ、この滝の中で一心不乱に刀を振っていた亜莉亜の姿。
あのときの彼女は、復讐のために自分を鍛えていたんだっけ?
いや、違った。
あのときは、瀞霊廷の仲間を、流魂街の人々を護りたくって、そのために鍛錬していたはず。
彼女自身だってそう言っていた。
瀞霊廷が憎かった。けれど今は自分に居場所を与えてくれた瀞霊廷を護りたい。
あれは亜莉亜の本音…だと思っていた。
それは俺の勘違いだったのか?
そんなはずはない。
俺が小さいときから見てきた亜莉亜は、何が何でも復讐なんて考えるようなことはしない。
何度裏切られたって、何度失望したって、護ることを望んでいた。
じゃあ、この前の亜莉亜は……?
そもそも、あれは本当に亜莉亜だったのか。
できるなら、あれは亜莉亜でなかったと、信じたい。
けれど、あの姿、あの声、あの霊圧…
全てが、俺の知っている亜莉亜の姿と一致した。
復讐、だなんて…
拓「…ねぇ、亜莉亜、俺はどうしたらいいの?」
「私についてきたらいい、拓斗。」
拓「君のね、そういうところが、暑苦しいんだけど。」
背を向けたままの拓斗がポロリと言い、文月は大きなショックを受ける。
文「な、なな、なんと…!拓斗様、文月は拓斗様をそのようなことを言う者に育てた覚えはございません!!」
拓「でも、実際こうなったんだから、仕方ないでしょ。」
拓斗の容赦ない言葉に、拓斗の背で文月が悶絶している。
拓斗は視線を落とすと、文月に聞こえないように呟いた。
拓「――そもそも、亜莉亜が例の犯人で…なんてことを悩んでるなんて言ったって、どうしようもないじゃん。」
文「拓斗様?」
ふと立ち上がった拓斗に、文月は顔を明るくする。
文「拓斗様、まさか、隊舎の方に向かわれるのでは…ッ!!」
拓「残念、場所を変えるだけだよ。」
拓斗が横目で文月を見る。
文「はぁ!?」
拓「こんなにうるさい場所じゃ、ろくに考え事もできないでしょうが。」
拓斗はそれだけ言うと、瞬歩でどこかに移動してしまった。
勿論、文月には拓斗の瞬歩は見えないわけで……
文「拓斗様ぁ、瞬歩は反則ですぞ……」
文月はがっくりと肩を落とした。
所変わって、ここは流魂街。
黒雷乃雅との戦いのために亜莉亜が修行していた、あの滝のふもと。
そこに拓斗は来ていた。
拓「亜莉亜……」
この前の言葉は本当なの?
君は本当に復讐を望んでいるの?
君は…どうして変わってしまったの?
拓「はぁ――」
本日何度目か分からないため息を吐き出し、拓斗は頭を抱えた。
人の声や物音が全く聞こえない代わりに、ただ滝を流れ落ちる水の音が聞こえる。
ふと浮かぶ、この滝の中で一心不乱に刀を振っていた亜莉亜の姿。
あのときの彼女は、復讐のために自分を鍛えていたんだっけ?
いや、違った。
あのときは、瀞霊廷の仲間を、流魂街の人々を護りたくって、そのために鍛錬していたはず。
彼女自身だってそう言っていた。
瀞霊廷が憎かった。けれど今は自分に居場所を与えてくれた瀞霊廷を護りたい。
あれは亜莉亜の本音…だと思っていた。
それは俺の勘違いだったのか?
そんなはずはない。
俺が小さいときから見てきた亜莉亜は、何が何でも復讐なんて考えるようなことはしない。
何度裏切られたって、何度失望したって、護ることを望んでいた。
じゃあ、この前の亜莉亜は……?
そもそも、あれは本当に亜莉亜だったのか。
できるなら、あれは亜莉亜でなかったと、信じたい。
けれど、あの姿、あの声、あの霊圧…
全てが、俺の知っている亜莉亜の姿と一致した。
復讐、だなんて…
拓「…ねぇ、亜莉亜、俺はどうしたらいいの?」
「私についてきたらいい、拓斗。」