第十七話 ー大虚ー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『瀞霊廷の事件のことは既に知ってるでしょう。犯人の狙いは分からないが、既に十三隊からだけでなく零番隊からも多数の被害がでている。』
亜莉亜は辛そうに眉を寄せた。
『あそこには私の大切な仲間たちがいる。あいつらの身が危ういのに、ここにいる私は彼らの盾にもなれない。だから──。』
亜莉亜はそこまで言うと、静かに目を伏せた。
『無理やり入学したあげく、さらに卒業まで。とてもじゃない話だとは理解していますが、どうにかお頼みしたい。これしか方法が…』
藤山の視線が、痛かった。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは藤山だった。
藤「──貴殿は、本当に心の綺麗な方だ。」
『…はい?』
気の抜けたような声を発しながら、亜莉亜はパッと顔を上げた。
藤「王族との件、私はずっと事実だと思っていた。」
瑚「!!」
王族という言葉に動揺した瑚絽音が、慌てた様子で亜莉亜を見上げる。
しかし、亜莉亜は当然だとでも言うように落ち着いていた。
藤「…しかし、今貴殿と対峙してみて分かった。きっと何かあるのだと。」
藤山は、そう言ってにこりと笑った。
藤「貴殿のように仲間を重んじるものが、そう沢山の死神を敵に回せるとは思わん。…そうであろう?」
『──私の目に狂いはなかったか。』
亜莉亜はぼそりと呟き、得意げに微笑んだ。
瑚絽音はその言葉に、訳が分からないと首を傾げた。
藤「明日、卒業試験を行おう。だが、手加減はしない。通常の試験よりも難易度は上げる。…通常よりも早く卒業する者が他の生徒と同じ実力などでは霊術院の名に傷が付く。異論は無いな。」
『どうぞ、お好きに。』
藤「──その子は?」
『心配いらない。なんせ、こいつは私が鍛え上げた“死神”だから。』
亜莉亜はそう言うと瑚絽音を抱き寄せた。
瑚「亜莉亜…?」
『こう見えて普通の席官レベルは軽くこえてる。』
亜莉亜が不敵な笑みを見せると、藤山はほう、と息をついた。
藤「指導者の腕が良いお蔭であるな。」
瑚「はいなのです!!」
亜莉亜と藤山の顔を見比べた瑚絽音は、きらきらと輝く笑顔で答えた。
亜莉亜は辛そうに眉を寄せた。
『あそこには私の大切な仲間たちがいる。あいつらの身が危ういのに、ここにいる私は彼らの盾にもなれない。だから──。』
亜莉亜はそこまで言うと、静かに目を伏せた。
『無理やり入学したあげく、さらに卒業まで。とてもじゃない話だとは理解していますが、どうにかお頼みしたい。これしか方法が…』
藤山の視線が、痛かった。
しばらくの沈黙の後、先に口を開いたのは藤山だった。
藤「──貴殿は、本当に心の綺麗な方だ。」
『…はい?』
気の抜けたような声を発しながら、亜莉亜はパッと顔を上げた。
藤「王族との件、私はずっと事実だと思っていた。」
瑚「!!」
王族という言葉に動揺した瑚絽音が、慌てた様子で亜莉亜を見上げる。
しかし、亜莉亜は当然だとでも言うように落ち着いていた。
藤「…しかし、今貴殿と対峙してみて分かった。きっと何かあるのだと。」
藤山は、そう言ってにこりと笑った。
藤「貴殿のように仲間を重んじるものが、そう沢山の死神を敵に回せるとは思わん。…そうであろう?」
『──私の目に狂いはなかったか。』
亜莉亜はぼそりと呟き、得意げに微笑んだ。
瑚絽音はその言葉に、訳が分からないと首を傾げた。
藤「明日、卒業試験を行おう。だが、手加減はしない。通常の試験よりも難易度は上げる。…通常よりも早く卒業する者が他の生徒と同じ実力などでは霊術院の名に傷が付く。異論は無いな。」
『どうぞ、お好きに。』
藤「──その子は?」
『心配いらない。なんせ、こいつは私が鍛え上げた“死神”だから。』
亜莉亜はそう言うと瑚絽音を抱き寄せた。
瑚「亜莉亜…?」
『こう見えて普通の席官レベルは軽くこえてる。』
亜莉亜が不敵な笑みを見せると、藤山はほう、と息をついた。
藤「指導者の腕が良いお蔭であるな。」
瑚「はいなのです!!」
亜莉亜と藤山の顔を見比べた瑚絽音は、きらきらと輝く笑顔で答えた。