「全くさ、こんなか弱い女子隊員に暴力ふるなんて、ついに副隊長も気が狂ったみたいだよね。」
「そうだよ！湖娘ちゃんは何もしてないのに、こんなに傷をつけるなんて、酷すぎる。」
「湖娘ちゃん、大丈夫？今度副隊長に何かされそうになったら、いつでも呼んでね？すぐに飛んでいって、守ってあげるから。」
またあたしの周りで、男たちが騒いでる。
一体、いつまで騒いでたら気が済むのかしら。
ありがた迷惑ってヤツよね。流石に暑苦しいわ。
キモい顔して、あたしに触らないでよ。
あたしは高貴なお姫様なのよ？

今、あたしたちは瀞霊廷内の繁華街を歩いてる。
元から、書類仕事なんて地味なことする気はなかったし、それにちゃんと”噂”が広まってるのか確認したいから。
「あー…問題の…ほら、見てよあの傷。」
「うわ…やっぱり、あの話本当だったんだ。」
道端でこそこそと不細工な女子隊員たちが話してる。
ふふっ…。
”噂”は、順調に広がってるみたいね。
流石あたし。
悪いのは貴方なのよ？
あんな女をとって、こんなに可愛いあたしを捨てるから。
…バカな男。
副隊長だけじゃないわ。
そう。あたしの周りに群がってる男たちもよ。
みーんなバカ。
あたしが喜んでるふりしたら、すぐにでれでれしちゃうし、
あたしがちょっと涙流したら、すぐに相手をやっつけてくれる。
こんな演技に惑わされてるなんて…ホント低脳な奴ら。