そう。そいつは吉沢湖娘の取り巻きの中の一人。
それも、先日亜莉亜に刀を向けられた、あの隊員。
『新炉、本気か？』
新「ええ。たまには真面目に働かないと、いつまでたっても席官になれませんから。」
『──まあいい。他は』
静寂が辺りを包む。
『よし、このメンバーで決定だ。新炉と華恋は今日の昼、一番隊の前に来てくれ。以上』
亜莉亜の言葉を合図に、そろそろと隊員たちが動き出す。
拓「怪しいなぁ……。大丈夫なの？」
『さぁな。まぁ、心配するな。龍も華恋もいるんだ。』
拓「…」
『少し外に出てくる。』
そのまま隊舎の外に出た亜莉亜。
『（現世に行くなら、それなりに詳しいやつを連れて行ったほうがいいな…）』
ということで来たのは、浮竹の十三番隊。
『浮竹ー、朽木いるか？』
浮「ん？なんだ亜莉亜じゃないか。お菓子はいるか？」
『いいから朽木は？』
浮「中で書類をやってるはずだが──朽木に何か用か？」
『あぁ、実は…』
亜莉亜は浮竹に現世行きの経緯を説明する。
浮「そうか！それなら朽木が一番だな。…おい、朽木！！すまないがちょっと来てくれ！」
ほどなくしてルキアが現れる。
ル「どうかなさいましたか？」
浮竹はニコニコと微笑んでいる。
『朽木、突然で悪いのだが、一緒に現世に行ってもらいたい。』
ル「！？私が、ですか？」
『お前が適任だ』
ルキアはちらりと浮竹を見る。
浮「朽木、行って来い。たまには一護君の顔も見たいだろう？」
ル「そ、そんなことは…！」
『駄目か？』
ル「いえ！私でよければ！！（憧れの神影隊長と共に現世…）」
ルキアの言葉に亜莉亜は表情を緩める。
『すまないな。感謝する。…あと、連れて行きたいやつはいるか？』
ル「えっと…」
ルキアの頭に一人の人物が浮かんだ。