亜莉亜の冷えきった声に、隊員の表情が恐怖に満ちる。
『私は貴様らのようなやつに時間を使いたくない。早く華恋を放せ。──さもなければ』
亜莉亜が手に持つ斬魄刀に力を込める。
隊「……」
限界を感じた隊員が、ついに華恋を放す。
華「！」
江「華恋！！大丈夫？」
解放された華恋に、江恋が駆け寄る。
『全く、手間かけさせやがって。』
亜莉亜が刀を納めたとき、執務室に拓斗たち席官が飛び込んできた。
拓「亜莉亜、これって」
杏「隊長、華恋ちゃん、江恋ちゃん、怪我は…」
『大丈夫だ。後で詳しく話す。』
ふと見てみると、先ほどの隊員は腰が抜けたようで、床にへなへなと座り込んでいる。
…亜莉亜を睨みつけながら。
『何か文句があるようだが』
亜莉亜が尋ねると、別のところから返事が聞こえた。
隊「い、いい気になってんじゃねえぞ！」
隊「そうだ！…たまたまそいつが弱かっただけなんだからな！！」
次々と、湖娘の取り巻きから声が上がる。
拓「君たち。これ以上──」
『やめとけ。馬鹿に何を言ったって無駄だ。』
隊「何だと！？」
隊「このくそ女が！」
『戻ろう。華恋と江恋もおいで。』
華「…はい」
江「……。」