そこまで話すと、拓斗は一旦言葉を切った。
一「で、俺らがどうするか聞きたいってか。」
拓「こっちは入念に作戦を立ててるわけ。だから、勝手に動かれると非常〜に、困るの。」
一「そこ、強調する必要あるか？」
拓「うるさい。」
一「ハイ…。」
一護の突っ込みを、拓斗は無表情で流した。
拓「んで、どうする？」
一「そんなの、とっくの昔に決まってる。俺は、尸魂界に行く。」
拓「やっぱりね。何がどうなるか分からないよ？それでも？」
一「少しでも亜莉亜の力になれるなら」
はっきりと言う一護に、拓斗はいぶかしげな目を向けた。
拓「…ふーん」
一「あの、俺、何か悪いこと言ったか？」
拓「ま、いっか。今は戦力を増やすのが第一だし。」
一「は？」
拓「この事、他の人たちにも伝えといてね。尸魂界に行くメンバーが決まったら、早いうちに俺に知らせて。」
一「お、おう。」
拓「じゃ、俺は行くから。」
拓斗はそう言うと、窓に足をかけた。
一「って、そこから帰るのかよ！」
拓「いーじゃん。どうせ誰にも見えてないし。」
一「そりゃそうだけど」
はあ…とため息をつく一護。
拓斗は、パッと振り返った。
拓「言っとくけど、亜莉亜は君には渡さないよ。そもそも君なんか眼中に無いからね。じゃ！」
一「はあ！？」
一護は拓斗に真意を尋ねようとしたが、既にそこに拓斗の姿はなかった。
一人になった一護は、再びため息をついた。

その日の夜。
全ての準備を終えた亜莉亜は、密かに流魂街へと向かった。
どうしても会っておきたい人がいるのだ。
明日、黒雷乃雅と戦わなければならない。
全力で戦えるよう、後悔が残らないように、感謝を伝えておきたかった。
というのは、今から亜莉亜が会おうとしているのは、亜莉亜が幼かった頃色々と面倒をみてくれた人なのだ。