「副隊長！！Ａ地区の結界が、全て完了しました！」
拓「よし。じゃ、次はＣ地区の手伝いにまわって。」
「はっ！」
所変わって、こちらは現世。
零番隊隊員たちは拓斗の指示に従い、現世に結界を張っていた。
理由としては、大きく分けて二つの事があげられる。
一つは、黒雷乃雅との戦いで放たれる膨大な霊圧から現世の魂魄たちを護るため。
二つ目は、もしも戦いの場所が現世となったとき、現世が受けるダメージを最小限に抑えるため。
正直、現世全体に結界を張るのは、本当に手間がかかる。拓斗は、てきぱきと動いている隊員たちを見た。
護廷からの隊員たちも加わり一時は混乱しかけたものの、現在は零番隊の隊員たちがうまく指揮をとり効率のよい作業が行われていた。
拓「杏樹、ちょっといい？」
拓斗は、自分の近くにいた三席を呼んだ。
杏「どうかしましたか？」
拓「今から少しだけ、ここの総指揮を代わってもらってもいいかな？」
杏「はい。大丈夫ですけど──何か用事が？」
拓「まあね。黒崎一護とかにも話をしとこうと思って。」
杏「そういえば、彼らとは何も話しをしてませんでしたね。分かりました。どうぞ行ってきて下さい。」
拓「じゃ、任せたよ。」
拓斗はそう言うと、瞬歩で黒崎医院へと向かった。

ピンポーン…
夏「は～い！」
玄関のチャイムが来客を知らせ、夏梨は大きく返事をした。
一体誰だろう。宅配便か？
カチャッ
夏「どちら様で…！？」
訪問者の姿を見た夏梨は、目を見開いた。
なぜなら、そこには漆黒の着物に身を包んだ──イケメンが立っていたから。
拓「どうも、初めまして。俺は我妻拓斗。君は確か、夏梨ちゃんだったよね。」
優しげな笑みを浮かべる拓斗。
夏「あんた死神だろ？一兄の友達か！？」