立ち上がりかけた私は、喜助に止められた。
『何だ？』
喜「ご報告したいことがあるんスよ。前に、マンモンと亜莉亜サンの霊子がほぼ一致したって話をしましたよね。」
『進展があったのか！？』
私の言葉に、喜助は頷いた。
喜「あの後、時間をかけて再分析してみたんですが、マンモンの霊圧は、幼少期に変化していたみたいなんです。」
『霊圧が変化だと？──そんなこと』
喜「亜莉亜サン、流魂街にいたとき、誰かと一緒に暮らしてませんでした？それも小さい子供と」
『あぁ。山じいに拾われるまでの短い時間だけだったが、あるお年寄りの家で、他の子供と暮らしていたことはあるぞ。』
喜「恐らく、そのときの子供の中に幼少期のマンモンもいたのでしょう。いくら霊圧を制御していても、亜莉亜サンの霊圧は規格外。幼い子供の霊子がそれに影響されたとしても、おかしくはありませんから。」
喜助はそう言って微笑んだ。
『そうだったのか。なら、結果的に、私と奴らの過去は関係無かったようなものなのか。』
喜「そうなります。あと、他の皆さんについてなんですが」
恐らく、ルシファーや湖娘たちのことであろう。
『あいつらについて、何か分かったのか？』
私の言葉に、喜助は頷いた。
喜「黒雷乃雅の言っていたことから推測すると、叉夜ちゃんを含めた彼らは、奴に吸収されたんスよね。」
『だろうな。』
喜「そして、亜莉亜サンの夢や過去の資料から、黒雷乃雅は殺気石で出来た洞窟に封印されていた、ということが分かっています。なら、吉沢サンたちは彼が復活するためのエネルギーに利用されたと考えるのが妥当です。」
復活するためのエネルギー、か。
確かにありえなくはないな。