喜「どうっすか？」
自慢げにそう言った喜助。
『喜助、流石だ。』
亜莉亜は微笑みながら答えた。
喜「！──どうも」
『それで、いくらだ？開発費用は。ちゃんと負担したい』
喜「いいっすよ。それは、アタシから亜莉亜さんへのプレゼントってことで。」
『いいのか？……ありがとう、喜助。』
亜莉亜は素直にそれを受け取った。
喜「ただし！」
『？』
喜「あまり無茶はしないで下さいね。」
心配そうにそう言った喜助に、亜莉亜は頷くことしかできなかった。

技術開発局を出た亜莉亜は、適当な理由をつけて流魂街へと出た。
何故かというと、亜莉亜だけしか知らなくて、十分な修行ができる広い場所を探すため。
しばらくはぶらぶらと歩いていた亜莉亜だったが、ふとあることに気づいた。
『水の音……』
近くに川でもあるのだろうか？
そう思い、亜莉亜は水の音が聞こえてきた森へと進んでいった。

ザッ…
ザッ…
亜莉亜が歩く音のみが、辺りにこだまする。
動物などが見当たらないということは、ここはあまり良い環境の森では無いようだ。
そんな場所こそ、私の修行場にぴったりだと思う。
そうこうしているうちに、水の音はかなり近いところまできていた。
『あれか』
亜莉亜の視界に、決して大きくはないが、とても綺麗な滝が映った。
よし、決めた。
この周辺を私の修行場にしよう。
そう決めたと同時に、亜莉亜は早速周辺に結界を張った。
といっても、出来た結界は4m四方の物。
そう。今日は本気で暴れるつもりは無いのだ。
確かめておかなければならないことがあるから、それを確かめるのが今日の目的。
だから、一人で来た。